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人事を変えるテクノロジー

2019/2/13

人事を変えるテクノロジー

人材さがし、国・地域の枠を超えて

新システムに収める情報は、名前や所属といった基本情報から、スキルや職歴、人事評価や年収、将来のキャリアについての考え方まで幅広い。こうした情報を権限に応じた閲覧範囲を決めて運営している。「従業員の場合、他の人の氏名やスキル、プロジェクト歴などが検索できる」と古田氏は話す。特定のスキルがある人材を探し出し、仕事への協力を頼むといったように使えるという。従来なら知り合う機会がなかった人がシステムを通じてめぐり合い、「化学反応」を起こす。そんな形でイノベーションが起きやすい企業風土になるとの期待もあるようだ。

管理職レベルでは、個人の学歴、所属部署や研修の記録、語学力、キャリア面での希望などを見られる設定だ。たとえば、プロジェクトチームをつくる場合、必要なスキルや能力を持つ人材を検索。さらに詳しいデータを調べて候補を絞り込み、参加を呼びかけられる。国や地域を越え、適切な人材を素早く集めるのに役立つとみている。

経営層向けには、地域別や会社別などの人材状況を分析してグラフなどで表し、組織再編や経営戦略の立案に役立てる「ダッシュボード」機能もある。今後も利用者からのフィードバックを受けながら、機能や使い勝手を改善していく考えだ。

導入の効果で、上司と部下のコミュニケーションが活性化したケースもあるという。これまで「こんなプロジェクトに参加し、こんな結果を出した」とか「将来はこのスキルを伸ばし、あの部署で働きたい」といった個人の事情は、直属の上司の頭には入っているものの、「共有されていない例が意外に多かった」(古田氏)。上司と部下が2週間に一度開く面談をHRテックと組み合わせれば、「部下のやる気を引き出すような、より深い指導に早く取りかかれるし、信頼関係の構築にも役立つ」(古田氏)。尊敬する先輩の経歴などを見て、自らのキャリアイメージづくりに役立てるような使い道もありそうだ。

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