そう、注目はフレーム下のリム部分。濃厚なゴールドが印象的なリムの厚みは4ミリメートルと太め。しかも、ディータ独特の凝ったダイヤモンドカットを施しているので、暗めの照明の中でもレフ板のように光を広く反射させ、目のまわりに華やかな輝きを与えるうれしい盛り立て効果があるのです。

光るものに吸い寄せられるのは女性とカラスの習性。「……あの人誰?」的な、ささやきがこのメガネ1本でゲットできるのです。

Statesman Three DRX-2064-F-BLK-RGD 近年、男性でもゴールドメガネを選ぶ人が急増。中でもローズゴールドはモダンな印象で人気。メガネ(ローズゴールド)¥65,000/ディータ

■顔の個性を引き立てる絶妙なバランス

最後は「和食メガネ」。

大人の教養と、場慣れ感を要求されるフォーマルな食事の席。そんな席での好印象は、女性の心に鉄板の信頼感を与えるもの。それがたとえ、いちげんさんであろうとも、去り際に女将がふっと心に名前を留めるような、そんな一目置かれるメガネといえば、そうオリバーゴールドスミス。

このマルチネス、一見すると王道のウェリントン。ですが、その厚みはあくまで薄く、ウェリントン特有の重厚感を裏切るような軽やかなシャープさ。しかも、フレーム上部の独特のカーブと、サイド部分のさりげない厚みで、顔の個性を引き立てる絶妙なバランスが目力を強調し、見る人に個性的な印象を与えます。

なので一見、「良い人……」に見せかけて実はタダ者ではない見識がある――。そんな深読みしたくなるような人間性のうま味がこのメガネにはあるのです。

そんなメガネをもってしてお食事をすれば、「おいしいですね」の一言も周囲に重みを感じさせる現世利益がた~っぷり。

ちなみにこの一目メガネならば、仕事はもちろん画廊や美術館巡りでも一目置かれる絶大効果も。「……頼りになるんだからぁ」と、もう一度ほれ直させる効果が、このメガネにはあるのです。

メガネ¥30,000(オリバーゴールドスミス/ヴァルカナイズロンドン)

目的地に向かうタクシーで、メガネ一本変えるだけ。それだけで、その日の運命を変えてしまう(?)かもしれない、このメガネの効能。複数もってみるのは、おしゃれも人生も豊かにすること間違いなしです。

ちなみにこれらのメガネ、どれも女性も兼用可能なデザイン。「……あら」と彼女におねだりされるその危険性は覚悟してくださいませ。

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清水久美子
ファッションディレクター。大学卒業後、銀座和光を経て、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)入社。25ans(ヴァンサンカン)編集部で活躍後フリーとなり、ラグジュアリーなスタイルを得意とするスタイリストに。男性向けスタイリングの提案、商品企画も手がける。

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