未来のジョブズ、AIで発掘 人材採用・育成の革新力ビジッツテクノロジーズの松本勝CEOに聞く

ビジッツテクノロジーズの松本勝最高経営責任者(CEO)
ビジッツテクノロジーズの松本勝最高経営責任者(CEO)

人工知能(AI)開発などを手がけるビジッツテクノロジーズ(東京・港)が、学生や企業から熱い視線を集めている。従来の学生向け先輩訪問サービス「VISITS OB(ビジッツオービー)」に加え、イノベーションを起こすアイデアの価値を独自のアルゴリズムで測定する「ideagram(アイデアグラム)」というサービスを開始。採用や人材育成に向けたデジタル技術の開発・普及を狙う企業のなかでも異彩を放つ存在だ。創業者の松本勝最高経営責任者(CEO、43)のキャリアに迫った。

イノベーション起こす人材、時代が求める

「当初は東京大学を中心に学生のキャリア支援をしていましたが、イノベーションを起こす人材が求められる時代に必要とされる人材をどう発掘し、育成したらいいかと考え、事業を発展させました。いまは、クリエーティビティーを科学するをテーマに新たにサービスを開発しているところです」。松本氏はこう話す。

六本木にあるビジッツのオフィス。入り口に受け付けのようなものはなく、いきなりカフェのようなミーティングルームに迎えられる。ここでは50人余りの社員が働くが、4人に1人は東大出身。しかも経済産業省やグーグル、ボストン・コンサルティング・グループなどから転職してきた華麗な経歴の人材ばかりだ。率いる松本氏自身のキャリアも、かなりきらびやかだ。

大阪で生まれ育った松本氏の両親はともに起業家だ。父親は1970年代に英会話事業を展開し、当時からビデオを活用したオンライン事業のさきがけのような奇抜なアイデアを採用、母親はウェディング事業を立ち上げ、高級ホテルで独自のサービスを開始して話題になった。松本氏は「子供の頃から食卓はビジネスの話ばかりだった」と振り返る。

東大で「ボディービル」に熱中

地元の府立高校を経て東大の理科1類に進学した。入学してボディービルにはまり、体重50キロ台だった体を90キロ近くに鍛え上げた。全日本の学生選手権では3位になり、アームレスリングの日本代表にも選ばれたほどだ。

「筋トレに時間を割けるように、理系でも実験のない学科に進もう」と工学部で金融工学を専攻した。そこで肉体づくりとともにアルゴリズムの研究に没頭した松本氏は、大学院を経て2001年に米投資銀行のゴールドマン・サックスに入社。UBSに転職した後、ゴールドマンに戻り、株式トレーダー、そして金利デリバティブトレーダーとして頭角を現した。「最初は10銘柄を扱うだけで精いっぱいでしたが、慣れると300銘柄を同時に扱えるようになっていました」という。