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なやみのとびら、著名人が解決!

数字に弱いです 脚本家、中園ミホさん

2019/2/7

脚本家。東京都生まれ。TVドラマ「Doctor-X 外科医・大門未知子」「花子とアン」や「ハケンの品格」を執筆。2018年はNHK大河ドラマ「西郷どん」の脚本を担当した。

数字に弱いです。暗算は遅いし、桁の大きい数字を英語で表現しようとすると混乱してしまいます。昔からなのですが、年齢のせいか悪化している気がして恐ろしいです。(神奈川県・女性・50代)

あなたはいろいろなことを難なくこなす方なのでしょうね。働いているなら、きっと、責任のある大きなお仕事を任されているのではありませんか。いまやスマートフォンにも計算機が付いています。暗算をする機会なんてめったにないのに完璧にしたいという高い意識を持った方だとお見受けします。

でも、弱いものは誰にでもあります。私は横文字、カタカナが覚えられない。自分の名前もカタカナなのに、です。何度も通っているカフェの名前も横文字だったり、カタカナだったりすると記憶はあやふやです。弱いと意識してしまうと、「わー嫌だな」となって、体が萎縮してしまいます。そうすると、ますます覚えられなくなり、いろいろなことが余計にうまくいかなくなってしまいます。

誰にでもあるからこそ、弱みを隠す必要はありません。あなたはまだ、周りの人に言い出せていないのではないですか。さっさと、きっぱりと「数字には弱いんです」と宣言してしまいましょう。そうすれば、周りの人たちがちゃんとフォローしてくれます。代わりに英語がペラペラとか、漢字をいっぱい知っているとか、そういう得意分野を自分から率先して、引き受ければいいのです。弱いのは数字だけと周りに認識してもらったほうが楽です。

私は脚本家です。一緒に仕事をする人たちは私が横文字、カタカナに弱いことを知っています。ですから、私の脚本の横文字やカタカナにはしょっちゅう直しが入ります。「あの人はしょうがないよ」と理解して、念入りにチェックしてくれますから。例えば、「西郷どん」でもイギリス人の「ウィリアム・ウィリス」という名前が全然、覚えられませんでした。「ウイルス」と書いたりして、ゲラゲラと笑われました。でも、「その分、いいセリフをかけるようがんばります!」という姿勢で許してもらっているんです。

すべてが完璧という人に私は会ったことがありません。そういうAI(人工知能)みたいな人がいたら、私は人間味を感じないし、魅力も感じない。あなたの苦手な数字はAIの得意分野のひとつです。どんどん進化するAIに任せればいいじゃないですか。あなたは年老いていくご自身のほころびも許せないのでしょう。でも、ほころびは意外と魅力的だったりすると私は思います。

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[NIKKEIプラス1 2019年2月2日付]

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