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「フレンチアイビー」に学ぶシックな着こなし

MEN’S EX

2019/2/7

MEN'S EX

パリで育まれた独自のトラッドスタイルは着飾ったお洒落さがありつつもどこかさり気ない。日本の落ち着きある美意識にも通じる洗練された装いを学ぼう。




定義があるようでないフレンチアイビーとは

ブレザーを始めとする今のトラッドスタイルの復権は、ファッションにおける大きな潮流の一つ。そんな旬なトラッドをより今流に装う鍵として、実は“フレンチアイビー”が改めて注目され始めている。だがこのフレンチアイビースタイル、着こなしにルールがある本場アメリカのトラッドと異なり、どのようなスタイルを指すのかピンと来ないという方も多いのでは。

フレンチアイビーという言葉が初めて日本で市民権を得たのは1980年代半ば。ファッション雑誌でパリのトラッドな着こなしが特集され、当時の日本のファッション業界に大きな衝撃を与えた。色使い、組み合わせ、アイテム選び、どれもが今まで追いかけたアメトラとは異なっており、その着こなしはまるで、自由を謳歌するパリの薫りを体現したようだった。そしてそれこそがフレンチアイビーの正体。本場アメトラをパリジャンによる独自解釈で自由に着たスタイル。それが日本にてフレンチアイビーと名付けられた。

洒落た街並みに似合うシックで大人なパリトラッド

そんなフレンチアイビーには着こなしの明確なルールこそないが、いくつか象徴的なアイテムが挙げられる。タータンチェックのパンツやシングルモンクのシューズはその代表。これをトラッドの大基本アイテムであるネイビーブレザーに合わせれば、米・英とは一味違う、フレンチならではの小粋さが薫るトラッドスタイルが完成するというわけだ。デイリーに装うならシンプルにタートルニットを合わせるのがオススメだが、よりドレスアップを楽しむシーンでは是非、ボウタイを合わせてみてほしい。紺ブレ×結び下げのタイに漂う一種のカタさが抜けて、フレンチらしい甘さが漂うのを感じるはずだ。さらにこだわるなら、パリの名門・シャルベのシルクボウタイを選べばパーフェクトだろう。

さて、次はもう少し力の抜けたカジュアルスタイルをご紹介したい。ここでのキーアイテムはステンカラーコート。ご存じのとおり英国ルーツのアイテムだが、これをフレンチ的にするカギは色みにあり。“オイスターホワイト”と呼ばれる、うっすらグレーと黄色みを帯びたオフ白がポイントだ。定番のベージュと比べて独特な軽快感があり、ブルゾン代わりにさらりとカジュアルダウンすると抜群に映える。インナーはネイビータートルにリジッドデニムと濃紺で統一し、靴は黒の表革。このようにクールな色使いでまとめるのも、フレンチアイビー的な粋を表現する方法だ。靴はボリュームのある、素朴な雰囲気のものがよく合う。イラストでは軍靴由来のオフィサーシューズを合わせた。ちなみにオールデンのVチップというチョイスもいい。米国靴を象徴するブランドだが、ことVチップに限ってはフレンチを色濃く感じさせる。理由はこの靴をファッションアイテムとして有名にしたのが、パリの名店「エミスフェール」を仕切っていたピエール・フルニエ氏(現アナトミカ代表)だからだ。

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