お笑い芸人の修業も、まず自分を客観的に見ることから始まります。自分をどう見せれば、お客さんが笑ってくれるか。自分が見えていないと、自己を演出することはできません。ベテランの芸人さんの自己紹介は笑いのツボを押さえ、見事なものです。

ここで、私が今までに見た中で最も失敗した人の事例をご紹介します。それは、私の兄の自己紹介です。

兄は見た目(視覚情報)が「ちょっと人相が悪く見える」、話し方(聴覚情報)は「優しい口調」という特徴があります。私の友人との食事会に兄を招待したとき、兄は次のような自己紹介をしました。

「中国の『中』と北朝鮮の『北』で、中北と申します。北朝鮮のようにテポドンを急に発射しませんので仲良くして下さいね」

ちょっとこわもての外見に、優しい口調で、まさかそんな自己紹介が飛び出すとは誰も思わず、「この人なら本当にやりかねない。マッドサイエンティストに見えなくもない」という不思議な空気が流れてしまいました。

兄はとても優しく、笑いをとるため自分なりに頑張ったのだと思います。ただ、笑いのネタと見た目のバランスが悪く、ツボを外してしまったのです。(ある意味では印象に刻み込まれましたが……)

では、具体的な自己紹介の方法を説明しましょう。兄がどのように自己紹介すればよかったのか、一例も合わせてご紹介します。

3つのステップで自己紹介を作成する

●ステップ1:自分が出している印象を認識する

私の場合、「元芸人」という言葉の印象が強いようで、「軽い」「面白い」「ビジネスを知らない」と認識されていることが多いです。

自分が出している印象が認識できていない方は、周囲からフィードバックをもらってください。すぐに分かります。

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