音声からネットへ、転機はiモード 携帯電話の平成史携帯・スマホ30年史(上)

iモード対応の初期モデル「P501i」

携帯電話を音声通話、インターネットにつながるデバイスへと変貌させたのは、やはり99年に登場したNTTドコモのiモードの影響が大きい。当時流行していたインターネットを携帯電話で、しかも面倒な設定が必用なく誰でも簡単に利用できるようにしたiモードは、サービス開始直後から人気を博すことになった。

iモードは後にグーグルやアップルなど、スマホのOSを開発する事業者にも大きな影響を与えた。また絵文字の存在を世に広め「emoji」として世界的に絵文字の利用を広げる土台を作ったことでも知られている。iモードが、日本だけでなく世界の携帯電話業界に与えた影響は非常に大きい。

そのiモードが利用できる携帯電話として最初に登場したのが「501i」シリーズであり、その中で筆者が購入したのは松下通信工業製の「P501i」だった。ディスプレーはモノクロで、表示できる情報も非常に限られていたが、それでも外出先でいつでもウェブサイトが閲覧できたり、メールができることには非常に驚きがあったことを覚えている。

「P501i」は、初めて「iモード」に対応したNTTドコモの「501i」シリーズの1つ。ストレート型の端末ながら、情報が見やすいよう比較的大きめのディスプレーを採用していた
背面にもiモードのロゴが。こうした点からも、当時いかにNTTドコモがiモードに力を入れていたかをうかがい知ることができる

iモードの登場は、携帯電話で文字や画像などを「見る」というニーズを高めて携帯電話が大画面化するきっかけとなり、それに伴い携帯電話のデザインも以後、ストレート型から大画面を実現しやすい折り畳み型が主流となっていく。携帯電話のデザインにも大きな影響を与えていたのだ。

カメラ付き携帯電話の礎となった「J-SH04」

今やスマホで欠かせない存在となっているカメラ。そのカメラ付き携帯電話のルーツとなっているのが、デジタルホングループからJ-フォンへと名前を変えた翌年の2000年に発売した、シャープ製の「J-SH04」である。

カメラ付き携帯電話の先駆けとなった「J-SH04」。携帯電話への参入が後発だったシャープはこうした先進的な端末を積極開発し、存在感を高めていった
背面の中央からやや上にあるのがカメラ。その隣には自分撮りの利用を想定したミラーが付けられていたという点も、先見の明があったといえよう

J-SH04に搭載されているカメラは11万画素と、当時のデジタルカメラと比べても決して性能が高いものではなかった。だがカメラで写真を撮影し、メールで友達などに送信するという流れが携帯電話だけで完結できるという手軽さは非常に画期的なもので、たちまち大ヒットを記録。「写メール」という言葉を生み出すにまで至っている。

そしてもう1つ、J-SH04で注目すべきポイントとなったのが、カメラの隣に自分撮り用のミラーが付けられていたこと。後に自分撮りは「セルフィー」と呼ばれ世界的に高い人気を獲得するようになったが、ミラーの存在はJ-フォンとシャープがそのニーズを20年近く前から意識していた証でもあるのだ。

ちなみにJ-SH04は携帯電話産業に大きな影響を与えたとして、2014年に国立科学博物館の未来技術遺産に登録されている。

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