オフィスの生産性上げる 「仕事ハック」思考「最強のライフハック100」 小山龍介氏

従来の仕事術、今も正解か

「仕事はやりかけで放置すべし」「分類するな、収納せよ」「TO DOリストは作らない」――。小山氏が本のなかで示す方法論は、従来の仕事術とは正反対といえそう。

だが、小山氏は奇をてらって「逆説」を唱えているのではない。それぞれにきちんと根拠や主張があり、読めば納得させられるところが多い。「当たり前と思われている日ごろの業務も、しっかり考え直せば、効率化や改善の余地がある。能動的なハックが生産性を高める」と、小山氏は説く。

小山龍介氏の「ライフハック」体験の原点は、米シリコンバレーにある

従来の生産性に関する議論や仕事環境づくりについて、小山氏は「工場を原点に据えていた点で、今のオフィス業務にはなじみにくい」とみる。日本の生産性向上の取り組みは、既にある生産の仕組みから無駄を省き、同時に品質を上げることを重視してきた。成果は、時間あたりの出荷量や歩留まりのアップだろう。

一方、現代のビジネスパーソンに求められるのは、「ゼロから1を生み出すような創造的な成果。工場式のエンジニアリングからは、生まれない」(小山氏)。人工知能(AI)やロボットとともに働くような新しい時代にふさわしい考え方が、ライフハックというわけだ。

効率化が生む余裕 斬新な発想にも不可欠

世界を変えるようなアイデアを生み出し続けるシリコンバレー。小山氏がそこで感じた「強み」は、遊んでいるかのように軽やかな働き方だった。スマートフォンに象徴される製品群は、開発者の予想を超える様々な使い方が消費者の側から生まれ、さらに魅力を増していった。

最初から使い道が決まったものをつくるのにとどまらず、思いもしない発展を遂げる「何か」を企画する。そんな発想力を養うには、与えられたミッションだけをこなして満足するような仕事ぶりでは不十分だ。小山氏は「新たな発想を導くうえでは、一種の『余白』が欠かせない。余白を生み出すうえでもライフハックは有用」と話す。

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