主張は下策 できるリーダーは異なる意見を発展させる
20代から考える出世戦略(50)
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プレーヤーとしては優秀なんだけれど、リーダーになれない人がいます。そんな人がやってしまっている行動のひとつに「はっきりした意見を言う」というものがあります。いや、自分の意見をもってはっきり示すことはもちろん重要です。けれどもリーダーを目指す段階になっているのなら、むしろ逆効果の場合もあります。
自分の意見だけを主張する人たち
「その件について私はこう考えます。だからこうすべきだと思います」
議論の中ではっきりとした意見を示すことはとても重要です。会議に出て何も言わない人に比べると、はるかに有意義な人だと言えるでしょう。
でもたとえばこんなシーンについてあなたならどう思うでしょう。
営業課長「今日の会議では来期に向けた営業の重点課題の絞り込みをしたい。ゴールとしては、具体的な課題を定めることと、それぞれ課題について四半期ごとのマイルストーンを数値で示すことだ。素案は事前に配布したとおりなので、意見が欲しい」
最初に課長が会議の趣旨とゴールを示します。
事前にしっかりとした案が示されているので、参加者がそれぞれ自分の意見を示してゆきます。
「僕は中途採用営業の即戦力化のための教育投資に賛成です。そうでなければ対前年比50%の売り上げアップは見込めないと思うからです」
「私も賛成ですね。ただマイルストーンを定めるとしたら、教育投資ではなく、具体的な営業成績のほうが良いのではないでしょうか。教育投資をマイルストーンにすると、研修予算を使うことが目的になってしまいそうです」
「たしかに。では四半期ごとの教育予算ははっきり定めるが、営業目標の達成度をマイルストーンとして設定しようか。みんなもそれでいい?」
良い感じの議論が進み、営業課としての合意がなされようとしています。
そんなとき、こんな意見を言う人がいたらどうでしょう?