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逆転人生に学ぶ運のつくり方 「ダイソー」創業者 大創産業の矢野博丈会長に聞く

2019/1/3

大創産業の矢野博丈会長

100円ショップ「ダイソー」を展開する大創産業(広島県東広島市)の創業者、矢野博丈会長(75)には口癖がある。「運がよかった」。9回転職するほど挫折し続けた後、28カ国・地域に5千店余りを構えるグローバル企業を築き、満を持して2018年3月に社長を次男の靖二氏(47)に譲った。その成功物語の主人公はしかし、こうも口にする。「運というものは、あの、やっぱり、つくれるもんなんですよ」

■人生のどん底をみて欲が消えた

名刺の肩書は会長をもじった「怪鳥」。ポケットには、振ると音だけするコショウ瓶や、卓上を走るゴキブリのおもちゃなどプライベートブランド(PB)商品を常に忍ばせ、ハの字の眉毛の下の両目が、いたずらのタイミングをさぐる。世界の起業家が表彰される「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー 2018」日本代表に決まったばかりだが、その呼称がもつ響きとは、印象にややギャップがある。

運は最初からあったというわけではない。成功のカギを尋ねると、最初の答えは「いや、ないですね」。そして「運もない、能力もない」。中央大学理工学部を卒業後、広島で魚の養殖事業に失敗し「夜逃げ同然」で上京。百科事典の訪問販売では最低の営業成績だった。1970年代に百円均一の移動販売を始めたころも、自宅兼倉庫の火事を経験した。

人生のどん底をみたことで「もうけようとか、偉うなろうとか、大きくなろうとか、そういう欲がさーっと消えた。食えればええ、と。僕の場合は、その考え方が、働くことの神様に好感をもってもらえたんでしょうね。一生懸命働いて欲をかかないし、あした何が起きるかわからんぞと小さなお金も大事にする男だと。かわいいやつじゃと思うてくれて」。

客が商品をみて「安物買いの銭失い」と話すのを耳にして奮起。ほとんど採算を度外視した魅力的な商品を並べると、どんどん売れ出した。集客力は販売先の大型店にも評価されていく。「結果的にお客さま第一主義になったんですよね。(それまでの不運に)なぐられたんが強烈すぎて、欲をかかないんじゃなくて、かけなかったんが、ありがたかったですよね」

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