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デジタル・フラッシュ

5Gがすべての基礎になる 2019年デジタル製品予測

2019/1/3

■西田氏:20年への序章、すべての基盤は5G

2019年は20年への助走である……というと「なにを当たり前のことを」と言われそうだ。だが、事実そうなのだ。19年に起こることは19年に起きたヒット、というより、20年に予定されている変化を受けての先取り型の変化、といった方がいい。

例えば5G。日本でサービスが始まるのは20年だが、海外では商用サービスが始まっている。正直、国によって状況が異なるので話は単純ではないが、「5Gで海外がなにをウリにするのか」「端末の形や提供形態がどうなるか」は見ておいて損はない。なにより、以下で取り上げる技術はどれも高速回線がどこでも使えることを前提としている。だから、5Gは基盤であり、すべての変化の前提である。

AVについては、「解像度の先」がようやく見えてくるだろう。8Kまでいけば、当面解像度は十分だ。そのコンテンツをどう作るのかとか、いろいろなデバイスで「解像度よりも見ている人にとっての美しさや没入感」で評価するように変化してくる。HDR(ハイダイナミックレンジ)はそのひとつであるし、4K映像の中でも、8Kで制作するかどうかで画質が違うといったことも増える。音も同様で、ハイレゾか否かが重要な時代は終わり、オブジェクトオーディオ[注2]などの「音を体感する空間を構成する技術」が注目される。そして、それらは20年の東京五輪に向けた準備でもある。

[注2]米ドルビー・ラボラトリーズのドルビーアトモスなどで使われているオーディオ技術。例えば車が走る音で、音の情報に車の位置の情報が含まれており、再生側はそれに合わせて再生できる。音の移動効果がより明確になる。

VRやARも同様だ。19年の早いうちに、いくつか大きな製品が出てくる。ひとつはフェイスブックの「Oculus Quest」など、外部にセンサーを置かずにヘッドセットだけで利用できるスタンドアローンVR機器であり、もうひとつはマイクロソフトの「第2世代HoloLens」などのAR機器だ。アップルなどスマホ系メーカーも、20年に向けて同様の機器を開発しているのは間違いない。筆者も複数のソースより開発中であるという情報を得ている。19年に完成度の高い製品が生まれ、20年に向け、多数の製品が覇を競い合う状況になる。

Oculus Quest
西田宗千佳
フリージャーナリスト。1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。NIKKEI STYLEに「西田宗千佳のデジタル未来図」を連載中。

■戸田氏:Wi-Fiの主役はメッシュネットワークに

2019年に流行するIT系のトレンドとして2つのトピックスを取り上げたい。複数のWi-Fiルーターが連係して動作する「メッシュネットワーク」は、今後のWi-Fiの主役になっていくのが間違いない技術だ。これまでのWi-Fi親機と中継機の組み合わせよりも効率がよくなり、家の隅でも高速な通信が可能になる。高品質な映像を見る手段が、放送から通信へと移りつつあるなか、さまざまな部屋のテレビで4Kビデオのストリーミングを見るようのに、従来の親機では物足りなく感じる人が多いはず。メッシュネットワーク対応のWi-Fiルーターのセットは徐々に値下がりし、シェアを伸ばしてくるはずだ。

もうひとつの注目が、充電や給電の規格である「PowerDelivery」だ。すでに対応するスマホやパソコンが登場しており、同じ規格で充電・給電できる。これまでのように、デバイスごとに充電器を持ち歩く必要がなくなり、モバイルバッテリーの用途も広がる。Ankerからは、次世代の半導体素材「窒化ガリウム」を採用した小型のACアダプターが発売されることも決まっており、数年後にはACアダプターが付属しないパソコンも登場するだろう。

どちらも派手ではないが、生活を着実に便利にしてくれる点では重要な技術だ。

戸田覚
1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。

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