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食の達人コラム

味も見た目も一変 覚えておくべき和食の塩使い 魅惑のソルトワールド(25)

2019/1/11

和食では塩の使い方がモノを言う

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、日本の伝統文化への注目が集まりつつある。食の世界でも、2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的にも和食への関心が高まっている。和食を象徴する言葉の1つに「水の料理」がある。日本では良質の水が手に入れやすかったことに起因するのだろう。大量の水でゆでたり、さらしたりして食材の雑味を取り除く手法があるし、軟水のためだしの風味を上手に引き出し、口当たりよく仕上げることができる。塩はこうした水の料理に、とてもマッチした調味料と言えるのだ。

和食における塩の使い方は非常に多彩である。家庭でも簡単に応用できるものも多くあるので、ぜひ覚えて使ってみてほしい。

和食の塩の技「板ずり」

・塩ずり(板ずり)

食材に塩をまぶし、手のひらでこする、またはまな板の上に置いてすりつけることで表面のぬめりや汚れを除去するほか、うぶ毛などを取り除き口当たりをよくする。

・たて塩

塩分濃度3%程度の塩水を使用。ふり塩では塩味が付きすぎるような身の薄い魚の下味つけや下ごしらえに使用される。味付けのほか、汚れとり、貝の砂抜きなどにも。うま味が出て水が食材の中に入り込んでしまうことを防ぐ。

・塩もみ

塩の浸透脱水作用を利用して、食材から水分を出してしんなりとさせること。塩分濃度2%以上で浸透脱水作用が働く。塩分濃度を2%未満にする時は、置く時間を長くすると多少しんなりする。

・強塩(ごうしお)

食材に大量の塩をふりかける。塩の浸透脱水作用を利用して、水分の多い食材から水分を抜いてうまみを凝縮する。もともとは保存のため。食材に大量の塩分が浸透するため、食べる時は塩抜きしてから使う。

・水塩

繊細な味の食材にまんべんなく塩味をつけたり、食材を漬けこんで食感を軟らかくジューシーにしたりする。塩が溶けている状態なので、入れた瞬間に味が決まるため、和食では椀(わん)ものによく使用される。もともとは塩を作る過程で海水を煮詰める際に、塩の結晶ができる直前(塩分濃度20%程度)まで濃縮した状態の海水のことを指す。現在では、塩を煮溶かしてこしたものが多用される。卵白と塩を混ぜてからに溶かして、カルシウムを析出させて除去する場合もある。

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