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味も見た目も一変 覚えておくべき和食の塩使い魅惑のソルトワールド(25)

「ふり塩」。和食における塩は味の要だ

・ふり塩

味付けを目的として、一定の高さから全体に均一に塩をふること。材料より20~30センチくらいの高さから、指先と手首は固定して、ひじから先を動かすようにして指の間から塩を落とすようにするとうまくいく。厚みのある食材の場合は30分程度おき、中まで味を浸透させる。

・紙塩

薄身の魚や貝を和紙に挟んで水で湿らせ、その上から塩をふって軽く塩味をつけること。材料の味が非常に繊細な時や、材料に直接塩をふると塩が強くなりすぎる場合に使われる。

・呼び塩

塩蔵食品の塩気を抜くために、塩分濃度1%程度の薄い塩水に浸すこと。真水に浸すと、食材から塩が抜けるのに時間がかかる上、塩が抜ける時に同時にうまみも抜け、さらに真水が食材の中に浸透して水っぽくなってしまう。一方、塩水に浸すと早く塩が抜けるほか、うまみは抜けず、水っぽくもならない。

・塩打ち

乾燥豆を塩水に漬けて煎ること

アユの塩焼きでの塩の役割は味付けだけではない

様々な技法を紹介したが、塩の効果は味付けや下ごしらえだけでなく、飾りつけにも絶大な効果を発揮する。きらきらと光る塩の結晶が料理の美しさをより一層ひき立て、見ているだけでも食欲を増してくれるのだ。

・化粧塩

魚の焼きあがりを美しく見せるために、下ごしらえの塩とは別に、焼く直前に塩をふること。また、魚のひれなどの焦げやすい部分に塩を多めに刷り混んでから焼くこと。 

・敷き塩

サザエやカキのように皿に置いたとき、安定が悪い食材を支えるために、塩に卵白を混ぜ合わせたものや粗塩を皿の上に敷き、その上に食材を乗せること。塩は保温効果が高く、また、氷点が低く家庭の冷凍庫では凍らないため、冷やした塩を使用することで食材の冷却効果も期待できる。

塩の活用方法についていくつか紹介したが、守ってほしいポイントがある。それは下ごしらえに使う塩の量である。下ごしらえとして使用する塩は口に入るまでに洗い流されることがほとんどだ。もったいないから、減塩だからと下ごしらえに使用する塩の量を減らすと、狙った効果を出すことができない。下ごしらえに使う塩は、「これでもか」と勇気を持ってたっぷり使うことが料理上手への近道なのである。

一方、味付けに関しては、非常に微妙な濃度調整が肝要だ。なぜなら、塩はおいしいと感じられる濃度の範囲が、砂糖などと比べて非常に狭いのだ。体内の塩分濃度は平均すると0.9%程度なのだが、一番おいしいと感じやすい塩分濃度も同様に0.9%程度である。スープなど最後まで飲み干すような料理の場合は少し薄めの0.6%程度が望ましく、ごはんと一緒に食べるようなおかずの場合は1%~1.5%程度、多少の保存性を期待するような場合は3.0%程度が望ましい。

その日たくさん汗をかいたかどうか、酒を飲んでいるかどうかなど、体調や状況によっても適切な塩分濃度が変化する。まずは薄めに味付けをして味見をして、そこからちょっとずつ足して様子を見るのがお勧めだ。なぜなら、塩味は足すことはできてもひくことができないものだからである。

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