「直せた」が「直せるよ」に 使い方が難しいcouldデイビッド・セイン「間違えやすい英語」(50)could

言葉の使い方を間違えて相手に誤解されてしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が間違えやすい英語の使い方を解説します。今回は、couldという単語の使い方について見ていきます。

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勉強するときはいつも完全を目指す。しかし会話をするときは通じることを目指す。これが英会話には必要なポイントです。相手を前にして英語を話すときは、完璧な英語でなくても構いません。間違いがあってもいいのです。フレンドリーに笑顔で話せば、不完全さは補われます。間違いを恐れず英語を話しましょう。そして勉強するときは完全を目指しましょう。

ナンシーは自分のコンピューターが壊れて困っています。直さないとプロジェクトを完成させることができません。しかし彼女が知らない間に、ヒロシが修理してくれたようです。それを知らないナンシーはヒロシに話しかけますが、ヒロシの返事の仕方では、ナンシーに意味がちゃんと伝わらないようです。

会話は次のように展開します。

Nancy: Without my computer, I'll never finish this project.
Hiroshi: I could fix it.
Nancy: Then why don't you!
Hiroshi: But… I already did?
Nancy: You did?!

ヒロシは期せずしてこう言ったことになります。

ナンシー:コンピューターなしでは、絶対このプロジェクトを終わらせることができないわ。
ヒロシ:僕なら直せるよ。
ナンシー:だったら、なぜやらないの?
ヒロシ:だけど……もうやったけど。
ナンシー:やったって!?

ヒロシは、問題はすでに解決済みだとナンシーに伝えているつもりなのに、どうもそれが彼女には伝わっていません。彼女はヒロシに対して「では、なぜやらないの?」とたたみかけています。どこが悪いのでしょうか?

会話がかみ合っていないのは、ヒロシの I could fix it.という表現です。couldはcan「できる」の過去形なのでヒロシは「修理できた」のつもりで言ったのですが、I could fix it.は「私なら修理することはできる」に聞こえます。

それでは、ナンシーが理解できるように、どのような英語の表現を使えばよかったのでしょうか?

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