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公募か?推薦か? OBとの交流は情報の宝庫 理系学生のための企業研究(6)

東北大学特任教授、人事コンサルタント 増沢隆太

2017/2/21

本稿では現実に即した「理系のための」企業研究を見てきましたが、就活生はこの先、実際に企業の方との接触が待っています。ネットで企業情報を調べるだけなのは得意だったりするかも知れませんが、リアルなコミュニケーションはどうでしょう。企業研究の視点でのリアル・理系学生・コミュニケーションを通じての企業研究を最後に見てみます。

さまざまなきっかけの都度、企業を調べる習慣に

恐らくすでにご自分の大学ではOB・OGが来校してキャリア説明会や業界研究などの話をしたりしていないでしょうか。就活情報会社主催のそうしたキャリア研究講座も多々あります。また理系の場合、特にゼミや研究室、学科専攻などの単位でそうした企業の先輩との交流機会がある人もいるでしょう。

今回の一連の記事を通じ、まず第一に理系学生が理解すべきは、その会社のビジネスの仕組みであると述べました。企業の方と接する際は、可能であればその会社の事業について見てから臨むことを習慣付けてはどうでしょう。現在全く関心のない業界や企業でも、折にふれて企業情報を見ることで、事業に関する勘のようなものが養われます。

今回紹介したように、企業の自社ホームページを見るだけならスマホでも可能ですし、知らず知らずに企業知識が身に付き、それが積み重なれば業界知識にもつながります。企業をビジネスモデルの視点から見られるようになると、加速度的にビジネスそのものへの理解が深まるでしょう。

就活学生が接する社会人

リテラシーをもって臨めば、OBとの交流は正に情報の宝庫です。事前にその会社の仕事を調べておき、実際働いている先輩に直接その事業の社内での位置付けや、研究室の先輩であればその研究分野と実際の仕事の違いや共通点など、聞けることは山ほどあります。またせっかくの機会に初任給や福利厚生など就業条件のような人事情報しか聞けないのはもったいなさすぎます。ホームページでわかるようなことではなく、事業そのものに実際に関わっている現役社員がそこにいるのですから、技術のこと、研究開発の実際、課題や困ったことなど、自分の判断材料をもらえれば、きわめて有意義な交流となります。

逆にだめな例は「良い会社・悪い会社」のような二者択一の、「正解」を求めることです。ご自分の人生を保証できる人などこの世にはいません。先輩とはいえ、その会社で実際に働いてもいない学生の今後を占うことなど不可能です。正解志向のような情報リテラシーの無い質問をするのではなく、あくまで先輩がくれるのは情報であって、判断は自分自身しかできないことを認識して接することが大切です。

推薦との付き合い方

理系学生の就活では文系では普通見られない「推薦」があります。特に伝統ある大学などでは、「理系は推薦で決まる」と昔はいわれていました。現在は旧帝クラスの大学でも、推薦より自由応募で就職を決める人の方が多いのが実情です。しかしこれは推薦が良くないという意味では全くなく、しっかり推薦の特質を理解して活用すれば、とても便利なシステムです。

推薦で応募した場合、そのまま採用が決まるのではなく、一般的にはESや書類審査が免除になったり、1次面接を飛ばしていきなり2次以降の面接に進めるという仕組みが多いようです。推薦に選ばれたからと言って、これまで述べてきたような企業研究もせずに面接に臨めば、まず採用されることはないと思います。推薦であろうとなかろうと、企業研究するのは就活学生にとっては絶対に欠かせないものであり、決して油断せずに選考に臨まなければなりません。

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