千葉銀行の飯田祐平さん「頑張った経験を持とう!」
卒業までにやっておくこと2017(3)
就職戦線を乗り切って内定(内々定)を勝ち取った就活生の皆さんに、先輩からのメッセージをお届けします。残り少ない学生生活を、どう過ごしてほしいか。3回目は地銀トップ行の一翼を担う千葉銀行の飯田祐平さん(26)です。
箱根駅伝の予選を2回走った
――どんな学生時代でしたか。
「体育会の陸上競技部でした。専門は中長距離です。地元の千葉県の高校時代から本格的に始めたのですが、もうちょっと頑張れたのでは、との後悔があって大学でも競技を続けました。箱根根駅伝の予選会も2度走りました。チームの順位は50校のうち下から数えて3番目とかで、正月の本大会出場には遠く及びませんでしたが......」
「大学の近くに借りた下宿先と部室を行ったり来たりの4年間でした。4年生の秋まで練習があり、部活が7割で、勉強が2割、残りがアルバイトなどの生活でした。テスト前になると、みんなで部室にこもって勉強したのも懐かしい思い出の1つです。個人としても目立った記録や成績を残せたわけではありませんが、部活をやりきったことで悔いはありません」
――部活の経験は現在の仕事に役立っていますか。
「千葉県北西部にある柏市の支店の営業担当として、地元の中小企業を中心に約60件の得意先を任されています。融資から資産運用、事業承継まで仕事の内容は多岐にわたります。まずは若手の自分がどう判断するかで銀行の対応が決まってくることが往々にしてあるわけで、やりがいは大きいですね」
「同じ中小といっても接する相手は様々です。どんなに年齢が離れていようが社長に言うべきことを言わなければならないし、経理に明るいベテランの社員が社長に代わって出てくることもあります。自分はどちらかというと人見知りの性格なのですが、大学時代の部活で先輩たちやOBに色々な意味でもまれた経験があるからこそ、怒鳴られたり話を聞いてもらえなかったりしても粘り強く頑張ってこられたのだと思います」
地域密着ならではの営業のやり方がある
――体育会の縦社会の中で人との接し方を学んだわけですね。
「体育会は、やんなきゃいけないだろう!の世界ですから。銀行に入ってからも上司に鍛えられ、お客を分析する力や雑談力は同年代の中で高い方だと思っています。千葉市の独身寮から電車で片道1時間半ほどかけて通勤しているのですが、帰りの電車の中では、今日やろうとして出来なかった事を頭の中で整理し、明日は何をやろうかと考えます。翌朝の電車では、その日の外回りでやることをもう一度、頭に思い描きます。御用聞きの営業では相手の懐に飛び込めません」
「融資の審査先がケーキ店なら、商品を自分で買って食べて本当においしかどうかを確かめます。お金を貸してなんぼでなく、どんな商品を扱っているのかを理解して接しなければ納得してもらえる提案はできません。景気回復の糸口が見えず、厳しい環境が続いている今の時代はなおさらです。外回りの日々の中で地域密着ならではの営業のやり方や心構えが身についてくると、自信がどんどん膨らんできます」
――就職先に地元の千葉銀行を選んだ理由は何ですか。
「第一志望でした。就活でメガバンクも回りましたが、大企業より中小企業を相手に金融の仕事をしたいとの気持ちが強かったので、地域密着の営業を実践する千葉銀行は大きな魅力でした。地方銀行でありながらメガバンクと同じように海外進出やM&Aを積極的に展開し、独自の金融商品の開発にも取り組むなど、業務の幅の広さも理由の1つです」
――社会人の一歩を踏み出すにあたってのアドバイスを聞かせてください。
「就職して会社という今まで体験したことのない世界に飛び込むと、知らないこと、怒られること、辛いことなどがたくさんあります。部活でもアルバイトでも旅行でも何でも構いません。頑張った経験や自信をつけた経験を持っていれば大きな支えになるでしょう。今からでも遅くありません。残りの学生生活を有意義に過ごすためにも、様々なことに挑戦してほしいですね」
(聞き手は山本啓一)
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