石渡嶺司 大学ジャーナリスト

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このように留学について肯定的な意見が企業側に強いのは各業界の海外展開にあります。国際協力銀行調査(2015年)によると80.5%もの企業が海外展開について「強化・拡大する」と回答しています。

いや、志望業界・職種は国内事業だから、という方には、日本政府観光局(JNTO)の訪日外国人観光客数をどうぞ。2017年の訪日外国人観光客は2869万人。2003年の521万人から5.5倍増加。さらに2020年には4000万人。2030年には6000万人とすることが政府目標になっています。2018年現在でも東京・大阪という都市部や京都など観光都市だけでなく、地方でも外国人観光客を見かけることはもはや日常と化しています。

当然ながら、交通・観光産業を中心に消費していきます。つまり、地方であっても、外国人観光客に対応できる人材は交通・観光産業から流通・小売りも含めて求められることになります。公務員も外国人観光客を受け入れる環境の整備などを考えれば留学を否定的に見る省庁や自治体はそうそうないでしょう。

商社も同じです。国内事業が中心でも日本にいながら外国企業と電話やメールでやり取りすることになります。その際は当然ながら英語または他の外国語を使うはず。そうなると、商社は商社で留学経験者を否定的に見ることはまずありません。

では、なぜ留学が就活において否定的に見られるのでしょうか?

留年しそう→留年しても影響なし

「トビタテ!留学JAPAN」の2017年2月調査によると留学に興味・関心がない理由として最も多いのが「準備が面倒、大変そうだから」です。就職情報会社ディスコの2017年2月調査(対象は留学生約8000人)でも留学をして困ったことについて約半数が「就活の進め方」と回答しています。

特に長期留学の場合、留年するリスクは高くなってしまいます。実際、卒業率(卒業者の入学者に占める割合)は国際教養大学が65.1%、東京外国語学部言語文化学部32.6%、北九州市立大学外国語学部54.2%、上智大学外国語学部55.1%、立命館大学国際関係学部65.0%などいずれも他学部に比べて高いとは言えません(数値は『大学の実力2018』から引用)。

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