MONO TRENDY

小沢コージのちょっといいクルマ

「ライバルをおとしめない」 絶好調ボルボ社長の戦略

2019/1/8

木村 ボルボ・カー・ジャパンができてから41年間は外国人社長だったんです。彼らは日本人の感覚が分からないですし、しかも基本的に3年で交代してしまいますから。僕は最低でも5年はやると宣言しました。

小沢 3年から5年になることで、何が変わりますか?

木村 私が社長に就任してからすでに11のディーラーさんにやめていただき、新たに3つのディーラーさんに入っていただいています。外国人社長にはそれができないんです。ディーラーを切ると短期的には痛みを伴いますから。

小沢 そういう地道な努力で価格帯と販売体制を整えていった3年前、いよいよ待望の新世代のXC90が入ってきました。このビッグチャンスをどう生かそうと思いました?

木村 XC90に関しては、当初ディーゼルエンジンが日本には導入されない予定だったので、困ったなと思いました。今も大型SUVに関しては、欧州ディーゼルはパワーや燃費の面で魅力ですから。でもよく見ると2リッターガソリンターボのT5もバランスの取れたいいエンジンだし、ここでオプションを含めて魅力的なグレードの塊を作り、あとは競合にない7人乗り3列シート車を前面に押し出そうと。

小沢 確かに3年前は、プレミアムな3列シートSUVがほとんどありませんでしたね。

木村 そこで私は3列目の安全性を特に押し出せと指示したんです。ボルボはすべての席で、前の席と同等の安全性を作り込んでいますから。

小沢 販売店の意識改革は?

木村 そこも相当やりました。ボルボはデザインド・アラウンド・ユー、まずは人を中心に置き、その周囲をデザインするというクルマ作りをうたっています。メーカーがそう言っているのだから、あなたたちにもそれに応えてもらいたいと。そのコンセプトをセールス、接客の世界に落とし込んだら「顧客満足度No.1」の座を得られるに違いないと思いましたから。

2016年1月27日に発売されたボルボの7人乗りSUV「XC90」。プレミアムな3列シートをウリにした

■他ブランドを決しておとしめないセールスに

小沢 木村社長の話を聞いているとすべてが理詰めですべてがごもっとも。でも実際にそれを現場に教え込むのって大変ですよね。

木村 まずは私がレクサス時代にやっていた手法ですが、セールスマンのドレスコードを作りました。具体的には専用のピンバッチを作った。

小沢 意識は高まりますか。

木村 はい。それと大きいのは新車が出るたびに毎回、サーキットにスタッフ全員を呼んでやる商品研修ですね。商品には絶対の自信がありますから、セールスだけでなくサービスマンにも乗ってもらって勉強してもらう。それと同時に競合車にも乗ってもらう。するとスタッフ全員が自分の言葉で商品を語り始めます。

小沢 セールスの説得力が増す。言葉が本物になりますよね。

木村 そのほか商品研修で徹底的にやったのは「他ブランドを決しておとしめない」です。

MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
サントリー天然水 成長の原点は「首掛けPOP事件」
日経クロストレンド
日本初「カチッと鳴る」歯ブラシ ライオンが開発
日経クロストレンド
ダイソー本格100円コスメ 僅か2カ月で400万個突破
日経クロストレンド
30代前半で世帯年収1000万超 好きなブランドは?
ALL CHANNEL