優れた事業モデルほど危険 社員が成長しにくい会社20代から考える出世戦略(49)

 また、ビジネスモデルを意識する会社では、従業員の人件費に対するコスト意識も高いことが一般的です。

 そのような会社では従業員に対して成長ではなく習熟を求め、決まった割合での給与を支払う人事の仕組みが出来上がることが多いのです。

 そのような場合には給与は増えづらくなってしまいます。

 あこがれて入社してみて、仕事もやりがいがある。けれどもぜんぜん給与が増えないので生活は苦しい、という状況が生まれるわけです。

4つの質問で就職先を見極める

 仮に今の職場が優れたビジネスモデルを整備しているとすれば、そこで目指すべきは業務の習熟ではありません。ビジネスモデルを理解し、環境変化にあわせて変革してゆくための視点の引き上げが最優先課題となります。それは経営者の視点を持つということであり、社内での出世を目指すことにほかなりません。

 このような場合には、とがった専門性を高めていくよりはゼネラリスト的に行動できるようになるのが出世の近道となるでしょう。

 しかしもしあなたがまだその会社で働いていなくて、どこで働くべきかを迷っているとすれば、自分自身の成長段階にあわせた判断が必要です。

 もしあなたが経営者の視点を理解できるような経験を積んでいて、次のステップとして少なくとも管理職以上を目指すのであれば、優れたビジネスモデルの会社は、働く場所として候補にあげるべきです。

 しかしまだ管理職のレベルに到達していないのであれば、あなたの成長に投資してくれる会社を選ぶべきです。それはビジネスモデルではなく、個人の能力や行動によって業績が高まりやすい会社です。その見極めは、入社前段階ではなかなか難しいのですが、たとえば簡単な質問から推測することはできるのです。

 「新人、あるいは中途入社時点での教育」

 「業務上与えられる裁量の大きさ」

 「自発的学習に対する支援」

 「働く時間と場所の自由度」

 これらが大きい会社ほど、個人の活躍と成長に期待している会社だと言えるわけです。

就職や転職を考える際には、ぜひ検討してみてください。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。
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