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AI時代に仕事を選ぶ3つのポイント

僕ら流・社会の変え方(22)

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2016年も残すところあとわずかとなってきました。大学3年生は就活の準備がそろそろ始まる頃ですね。様々な議論を経て、経団連は、来年は新卒学生の就職活動の日程を今年と同じ3月に説明会解禁、6月に面接などの選考解禁とする方針を決めました。

ところで、この時期になると学生さんから決まって「どこの企業に行けば良いか?」「どの業界が安泰か?」、あるいは「どの会社が将来有望か?」などといった質問を受けます。そんな時、私は毎回同じように答えます。「ごめん、わからないや」と。将来の企業のあり方については、正直なかなか読めません。

実際、経済の専門家が評価していて、かつ数年前には就職したい企業のトップ10に入っていた企業が倒産する、または吸収合併されるケースは多々あります。例えば、20数年前には就職人気ランキングの上位となっていたJALが2010年に経営破綻したケースは、皆さんも記憶に新しいかと思います。また、アメリカでは2009年に自動車業界ビッグ3と言われていたうちの2つ、ゼネラルモーターズとフォードが倒産しました。終身雇用が前提の、安泰な企業は見つかりません。

最近では、そこに「AIの脅威」が加わりました。このところ多くのメディアを賑わせているAIは、便利な世の中をつくる可能性がある一方、人とどのように共存できるかについてはこれから議論していかなければならないテーマとなっています。2045年には人工知能が人間の知能を超えるとされる「シンギュラリティ」が起こり、今ある職業の50%はAIに取られているかもしれないという研究結果も発表されています。経済産業省も、2030年には最大735万人の雇用がAIに代替されると予測しています。「ディープラーニング」を重ね、自ら進化していくAIと果たしてうまくやっていけるのか、人間とAIの仕事の棲み分けはどのように行うことができるのかについては、未知数です。

しかし、「全くわからない」と言ってしまっては身も蓋もありません。そこで、「どのような仕事に就けばいいか」と悩む冒頭のような学生さんたちに、これから仕事を選ぶ際の参考に、AIとも「戦える」3つの職業を私なりに提案したいと思います。

AIとも戦える職業とは?

1つ目は「価値判断をする職業」です。AIの出現によって、例えばトラックの運転手や小売店の販売員、コールセンターの案内人やスポーツの審判などの仕事は奪われると言われています。AIがたくさんの能力を身につけたとしても、課題を発見し、様々なデータをもとに判断すること、またどこまでをAIにやらせるのかを決めることは、人間がやるべき仕事です。AIをどう活かしていくか? どのように発展させるか? そういった知恵が求められます。

これには政治家や官僚、経営者、起業家、コンサルタント、プロデューサー、評論家、メディア、ソフトウエアエンジニアといった仕事があるでしょう。企業内でも、何らかの価値判断ができ、決定に対して責任を取ることができる立場の人が今後、より重宝されます。一方、AIを持つ者と持たざる者との間の格差を是正するべく活動するNPOや国際機関での仕事などもここに当てはまるでしょう。これらの職につくためには、自分で会社をつくったりプロジェクトをつくったりするなど、価値判断を繰り返す訓練が必要です。最近流行りの「小商い」を今のうちからやってみたり、あるいは社会課題を発見し、事業などのネタを見つけるべく、NPOやまちづくりなどの活動に参加してみたりすることも有効かと思います。

2つ目は「価値判断できる人材を育てる職業」です。これは、これからどのような人材が社会に役立つのかを考え、人を教育していく職業、もしくはAIの学びを助ける職業です。具体的には、教員や教育産業など、広く教育に携わる職業がそれにあたるでしょう。教育には正解がありません。教育の目標ややり方によって、人は良くも悪くも様々な大きな影響を受けます。どんなに技術が発達してもAIでは及ばない人の能力を引き出す方向へ、教育改革を行うことや、AIと協働して価値を生み出す力を子どもたちに身につけさせることが大切です。

今教育現場では、子どもたちに社会の中で「生きる力」を身につけさせることが必要だとされています。様々な体験をさせたり、外部から社会人講師を招いたり、あるいは「アクティブラーニング」といって、能動的な学習をすることを大切にする教育が行われています。そんな中、教育者には、実社会で苦労した経験や課題を発見し、解決するために様々にアプローチした経験がより求められています。

最後は、「新しい価値をつくる職業」です。これは、今この世にないものを発想する職業。具体的には、アーティストやクリエイティブ産業などに従事する人たち、もしくは科学者などです。自分の思いや感情を表現することによって世の中に新しい価値を生み出す人たちであり、何もないところにものをつくる人たちです。抑えようとしても抑えることのできない表現意欲、制作意欲、探究心を持った人ともいえるでしょう。

AやBやCというものからDをつくるのではなく、いきなり理想的なDを発想する「バックキャスティング」の考え方が必要になります。最近では、「Socially Engaged Art」といって、アートを使ってどのように社会課題を解決していくかを考える分野も生まれています。必ずしもアーティストでなくても、日々の仕事の中でいかにクリエイティブな発想をしていくか、またそのような考え方を取り入れていくかが仕事の質を決める一つの指標になります。

「好き」を見つけよう!

以上、これから約30年後、みなさんが50歳になった頃、シンギュラリティが起こる2045年の未来を見据えて、その時に必要とされるであろう職業を私なりに予測してみました。つらつらと書いてみましたが、これはあくまでも私の経験に基づく主観にすぎません。また、そもそも、「これから生き残る・必要とされるから」選ぶというのも、本当はどうかと思っています。なぜなら、趣味についてはどれだけ時間を費やしても苦と感じないように、仕事も、好きなものであればその業界がどうなろうとも没頭できるだろうし、そこに多くの時間を費やして新しいビジネスを生み出すことも楽だからです。頭で考えたものが必ずしもうまくいくとは限りません。もちろん、就職をしないことも含めて、これからどんな職業につくかはみなさんに与えられた自由です。ぜひ楽しみながら就活をしてもらいたいと思っています。

どの職業についても、これから皆さんは必ず壁にぶち当たる時が来ると思います。そんな時、自分なりに納得がいっていることや好きなものであれば、乗り越えられます。僕もそうです。いつも、自分なりの納得を探して、没頭できるものを探して苦闘しています。だからみなさんもぜひ、今のうちから多くの経験を積み、様々なことを体験して、好きなものを見つけていってください。就職する前も、した後も、ずっと。

横尾俊成(よこお・としなり)
 NPO法人グリーンバード代表/NPO法人マチノコト代表/港区議会議員(無所属)/慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 後期博士課程に在籍中。早稲田大学大学院修了、広告会社の博報堂を経て現職。まちの課題を若者や「社会のために役立ちたい」人の力で解消する仕組みづくりがテーマ。第6回、第10回マニフェスト大賞受賞。月刊『ソトコト』で「まちのプロデューサー論」を連載中。著書に『「社会を変える」のはじめかた』(産学社)、『18歳からの選択 社会に出る前に考えておきたい20のこと』(フィルムアート社)。
HP:http://www.ecotoshi.jp
Twitter: @ecotoshi

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