夏休みは「弱いつながりのヒト」に注目!やる気スイッチを入れよう(29)

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき

明星大学特任教授、JTBコミュニケーションデザイン ワーク・モチベーション研究所長 菊入みゆき
2017/8/3

いよいよ夏休みですね。皆さんは、この夏をどのように過ごしますか?大きな方向性として、「拡散」するか、「収束」するか、が挙げられます。どちらも有意義ですが、夏休みには「拡散」を意識しましょう。「拡散」とはどういうことでしょうか?

拡散? それとも収束?

会社の会議の場で、こんな場面に出合うことがあります。

「この会議は、主に拡散ということで、皆さん、自由にいろいろな意見を出してください」

「それでは、そろそろ議論を収束させたいと思います。ポイントをまとめると・・・・」

「拡散」は、あるテーマに関して、様々な情報や意見をできるだけ多くテーブルの上に出し、広げてみることです。「収束」は、広げられた情報や意見をまとめて、何らかの結論を出していくことです。

例えば、新商品の企画をする場合を考えてみます。「新商品の案を出してください」と、最初から「収束」に向かってしまうと、アイデアが広がりません。「他の業界では、何がヒットしているんだろう」「今までの商品の評価できる点とできない点を全部リストアップしてみよう」といった「拡散」を行ってから、「収束」させると、アイデアの幅が広がり、複数の観点から検討された、根拠のある内容になります。

皆さんは、今年の夏休みには、いろいろなことにチャレンジして「拡散」しますか? それとも、ある一つのことに目標を定めて「収束」しますか? どちらも、まとまった休みに実行するに値する目標ですが、夏という開放的な気持ちになる休みには、特に「拡散」を意識しましょう。今まで行ったことのないところに行く、したことのないことをすることで、自分という人間の幅を広げてください。これは、人間関係にも言えることです。今まであまり話したことのない人と、ぜひ話してみましょう。

「弱いつながり」こそ情報の宝庫

「弱いつながり」=weak tiesという言葉があります。ふだんあまり交流のない、あいさつ程度の人たちとの関係を表す言葉です。この「弱いつながり」が、人の人生に強い影響力を持つという研究結果があります。

いつも一緒にいる人たちは、自分と共通の友人を持ち、同じツイッターや動画を見て、価値観も似通っています。話は合うのですが、新しい情報は得られません。一方、弱いつながりの人たちは、あなたとは違う交友関係や趣味を持っています。新しい情報の塊です。

夏休みには、SNSでつながってはいるけれど、あまり接触がなかった人たちや、ふだんの生活では話す機会がないような人たちと会ってみると、新たな発見があるはずです。

視界を広げ、ストレスに強くなる

茂田さん(仮名、大学2年、女性)は、ふだん大学と塾講師のアルバイトにほとんどの時間を費やしています。

ある日、講師仲間が、「自分のいとこがイベントスタッフのアルバイトを募集している。誰かやらないか」と言うのを聞きました。その講師仲間とはさほど親しくありませんでしたが、悪い印象はなく、イベントスタッフにも興味があったので、夏休みにやってみることにしました。イベントのアルバイトはハードでしたが、面白く、また、シングルマザーやミュージシャンの卵など、今までの交友関係にはいない人たちと友達になりました。

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