ディスカッションのコツ(中) 4つのパターンを理解しよう
「コミュ力」に悩む学生へ贈る言葉(6)
今回は具体的にディスカッションの中身について見ていきます。ディスカッションにもいろいろなパターンがあるのをご存知ですか? これらは社会人になってからの実践にも応用できますが、主に就活での出題について分類してみました。
ディスカッションのパターン
1、自由討論
1つのテーマに沿って、話し合いを進めます。結論をどのように出せばよいのかを確認しておくことが必要です。
2、インバスケット
いくつかの課題があり、その優先順位づけをしていくものです。正解がある場合が多く、正解に近い方が、高得点になります。
3、ディベート
2つの陣営に分かれて討論します。討論後、反対意見の陣営になってまた討論するというものもあります。
4、グループワーク
パズルを組み立てたり、ゲーム性のあるものです。
それでは、それぞれの討論の仕方について、解説していきます。
自由討論
常に気にしておかなくてはならないのは、最終的な着地点を確認しておくことです。話し合いにおけるゴールは何かを確認し、話し合いがズレて行くことを防ぎます。前回も「ディスカッションは結論が大切」ということを書きました。就活であっても、実践であっても、所要時間とゴールの確認を全員で行うことからスタートしましょう。
インバスケット
いくつかのアイテムがあたかも籠の中に乱雑に入っていて、そこに優先順位を付けていくというものです。実践的なものもあれば、仮想的なものもあります。優先順位を付ける時に注意する点は時間的な緊急度だけに惑わされずに、重要度にも配慮するという点です。よくあるのが、「砂漠で不時着パターン」というものです。
例題: あなたの乗った飛行機が故障し砂漠に不時着しました。下記のものを取り出すことができましたが、何から順番に使いますか?
A ウィスキー1リットル
B バックミラー
C 1人につき1リットルの水
D この地域の地図
E 方位磁石
F 1人1着の軽装のコート
解答は最後に。
ディベート
2つの陣営に分かれて、討論します。多くの場合、自分の意志とは関係なく、どちらかに自動的に入れられます。例えば、「動物園はいる? いらない?」 とか、「給食がいいか、お弁当がいいか」など。昨年、就活で出た例は「これから伸びるのはゲーム機か、スマホゲームか」という二つの陣営に分かれて討論し、その後で、逆の立場になってまた討論するというものでした。
ディベートはロジカルシンキングの練習に役立ちます。論理的に考えを組み立てる練習です。
グループワーク
パズルを作ったり、レゴブロックを使ったりというゲーム性があるものです。就活の課題では何を見ているのかわからないと思われがちですが、関わり方、コミュニケーション力を見ています。黙りこまずに、話し合いながら進めていくことが大切です。
これらに対応するために、どう考え、発言していけばいいのか、次回はそれを解説します。
あ、忘れるところでした。インバスケットの答えです。
1、B バックミラー ......反射で場所を知らせる
2、F 1人1着の軽装のコート ......暑さから身を守る
3、C 1人につき1リットルの水 ......すぐには飲まない
4、D この地域の地図 ......救助を待つので優先順位は低い
5、E 方位磁石 ......同じく、優先順位は低い
6、A ウィスキー1リットル ......飲んではいけない。逆にのどが渇く
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