こだわりの逸品

変わる時代の羅針盤 物語のある靴・小物とつきあう

MEN’S EX

2018/12/27

MEN'S EX

元号が変わるという大きな節目は、自らを見つめ直す良い機会だ。これから先、何にこだわり、何を捨て、何を目指して生きてゆくのか。靴と小物選びに対する想いから、新たに進むべき道を紐解く。




■古屋毅彦さん(松屋 取締役常務執行役員)

「必要かどうかよりも持っていたいものであることを大事にしていきたいですね」

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昭和48年生まれ。学習院大学卒業後、銀行に就職。その後アメリカの大学院を経て、松屋に入社。2013年に行われた銀座店リニューアルの際には、渡米で得た経験と知識が生かされた。

平成は、物への考え方もトレンドも一様ではなく、多様化した時代だったと古屋さんは語る。

「絶対的な答えがない、賛否両論が常にある時代の中で、物への執着を否定する向きもあります。しかし、世の中が多様化するからこそ、指針を持つことは大切だと思います」

古屋さんにとって、使い込まれた誂え品の財布やコイン&カードケースが、その指針となる存在だ。

「ICカードの普及で、もはやカードケースひとつでこと足りるようになりました。すべてがスマホ一台でまかなえる時代が訪れることを、身にしみて感じています。それでも、革の財布は持ち続けるつもりです。クールビズ然り、身につける物が次第に簡素になってゆく中で、使い込み、自分だけの味を手に入れた財布は、時代に浮き流されないためのアンカーのような存在です」

一方、靴に関してはこだわりを持ちつつも、TPOも大切という。

「靴は人目に触れるアイテムです。シーンや相手によっては、自分のこだわりがなじまないこともあります。このコードバンも、軽快な靴を履く方達が集まる場では、浮いた存在になりかねませんから」

美学と実用性の両立。平成という時代は、それを再認識する良い機会だった。

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