「誇れるものがない」と思う人が1日1%ずつ成長するには
人事部長のひとりごと(19)

学生の皆さん、こんにちは。株式会社HDE人事部長の高橋実です。(HDEは企業向けクラウドサービスの自社開発、販売をしており、7000社以上の企業の導入実績があるトップシェア企業です)。暑い夏が終わりました。皆さん体調を崩してはいませんか?
さて、今回は、「自分の誇れるものは何か?」というテーマでお話ししたいと思います。
誰にでも誇れるものはある。あなたらしく
先日、ある大学で、学生の皆さんにこれからのキャリアについて授業をしました。最後に、受講者の学生から、こんな質問がありました。
「僕はこれまで誇れるようなものは何もないです。面接で何を話したらいいんでしょうか」
その学生は、周囲には「部活でこんな活躍をした」とか「海外留学をして異文化を学んだ」とか、キラキラ輝くばかりの友人がたくさんいる、それに比べれば自分は何もできていないし、誇れるものは何もない、と言います。

果たして彼は、本当に誇れるものは何もないのでしょうか?
僕は違うと思います。確かに、「キラキラエピソード」を持っている人はいます。でも、皆がそうでなくともいいのです。組織というのは、様々な人がいてそれぞれ得意な仕事で力を発揮することで成り立っています。部活で活躍しているメンバーがいる一方で、それを支えるサポーターは必ずいます。周囲に支えている人がいるからこそ、活躍しているメンバーがいる。どちらも欠けてはいけないのです。
そして、人は成長します。僕は質問をした彼に「そういうことを言えるということは、自分が成長したい、と思っている証拠。企業はこれから成長する人なのかどうか、ということを大事にします。これから頑張って成長すればいいのです。だから、面接では、これまでのありのままの自分と、これからどうしていきたいか、という話をすれば、それがあなた自身の誇れることになる。あなたらしさが重要なのです」と伝えました。
そもそも「ダメだと思う自分」を、皆の前で話せる時点で、それ自体が誇れることなんですが(笑)。
成長日記をつけよう
そうはいっても、自分がまだまだだな、と思っているのに、それを「あなたらしく」伝えるのは抽象的で難しいものです。そんな人には「成長日記をつける」ことをお勧めします。何もわざわざ日記帳を買わなくても、SNSやスマホのメモなどでもかまいません。
僕は毎日「1日1%成長日記」をつけています。今日の自分は、昨日の自分よりどうだったか、それを一言二言、書き留めておくだけです。「今日はこんなことができた」。これを1年続ければ、「365回の成長」が身につくわけです。成長で一番大事なことは「続けること」です。少しの成長でも、長く続けていれば大きな成長になる。1年後に成長日記を読み返したら、365回も成長した出来事を読むことができる。これは、素晴らしいことです。
もし、何もできなかった日があったら「今日は何もできなかった日だった」と書けばいいのです。できなかった自分に気づく、これだけでも、大いに成長です。要は、1日の出来事を振り返って、書き留めておくことだけで、未来には必ず成長する実感がもてるはずです。
焦らずに、あなたらしく、あなた自身の誇れるものを見つけましょう!
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