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三日坊主のすすめ やりたい事が分からない人に 人事部長のひとりごと(7)

日経カレッジカフェ×人事部長

2017/1/20

1月ももう後半。年初に立てた今年の計画も、すでに「できなかった」と挫折したりしていませんか? のっけからネガティブな話で恐縮ですが、お正月といえば三日坊主、というほどにこれは定番。きっとこれからも毎年皆さんを悩ませることでしょうから、一度、三日坊主対策をしておく必要があります。

2017年の初回は、日本経済新聞社等で「ジローさんの迫熱教室」を主宰し、高知大学客員教授をつとめる中澤二朗が担当します(元、新日鉄ソリューションズ 初代人事部長)。

この話は、たまたまある大学で行った話を元にしています。昨年のこと、私の知人の勤める大学での出来事です。そこに私はときおり声をかけられて「働くこと」について話しているのですが、ある日のある授業でこんな質問を女子学生から受けました。

「三日坊主で何か問題でも...?」

学生:「先生。わたし3日坊主なんです。なんとかしたいと思っています。でも、うまくいきません」。

私 :(間髪入れず)「3日持てば、十分じゃないですか。何か問題でも...?」。

学生:「......」。

私 :(間をおいてから)「1年は何日あります? 365日ですよね。では、あなたの得意な3日坊主を続けたら、どうなります。どれくらいの数のテーマに取り組めると思います?」

学生:「......。

私 :「365÷3≒120です。何と約120個のテーマに挑戦することができます。では四日坊主だったら、どうでしょう。五日坊主であれば、さらにどうなるでしょう。むろん120個は90個に、90個はさらに70個に減ります」

学生:「確かに」(という顔をしているように見えました)。

そしてその後を、小学校で習った算数の知識をベースに、こうしめました。

「誰もが一度は、やりたいことが見つからないといって悩みます。それはそうです。やりたいことは、やってみなければわからないからです。

では、どうすればいいのでしょう。簡単です。やってみればいいのです。やってみるテーマの数を増やせばいいのです。

そこで改めて聞きます。そのテーマが70個の場合と、90個の場合と120個の場合とでは、どのケースが一番やりたいに巡り合える可能性があると思いますか? 言うまでもありません。120個の場合です。つまり、三日坊主のケースなのです。

私たちは錯覚していますが、野球の醍醐味は打率ではなく、打数にあるのです。打数を増やせば、たとえ打率は低くてもヒットの数は間違いなくふえるからです。なぜ打数なのか。なぜヒットなのか。決まっています。野球の面白みは打率という「概念」にあるのではなく、守る野手の間をすり抜けて飛ぶ白球の行方を追う所にあるからです。その「リアル」に感動するからです。

「やりたいこと」に出合うには

やりたいことに巡り合うことは、このヒットを打つことに似ています。もちろん見栄えは、二割打者より三割打者の方が、三割打者より四割打者の方がいいでしょう。しかしその四割打者も、打席数が100であればヒットは40本。他方、それが二割打者であっても、打席数が200あれば同じ数のヒットを打てます。であれば五日坊主より四日坊主の方が、四日坊主より三日坊主の方がいいに決まっています。

しかし、もう一つ。三日経って「さらにやり続けたい」という気持ちが起きても、必ずやめなければなりません。でないとテーマ数が下がるからです。もっと、他にやりたいことがあるかもしれません。そうやって、他にないことを確認することができます。

そして大みそかになって紅白歌合戦を見ながら(4時間以上あるので時間は十分)、それでもあえてまたやってみたいと思うものが頭に浮かんだら、それが本当のやりたいことです。止めろと言われてもやり続けたいもの。そんなやりたいことに出合う秘訣は、だから三日坊主にあると私は思っています。

(中澤二朗・「ジローさんの迫熱教室」主宰、高知大学客員教授)

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