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お母さんにほめられたいですか

どうする? 女子のキャリア(8)

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「お母さん」というのは、子ども時代はもちろん、学生時代、そして働くようになっても女性にとっては大きな存在です。さらに自分に家族ができ、子どもを持つようになっても、ずっと大きな存在であり続けることが多いと感じます。メディアなどでも、「母が重い」「母に縛られる」というテーマで、強烈な母娘関係が取り上げられているのを見かけます。

「お母さんの分も活躍して」

社会に出たばかりの女性たちと講演や座談会などでご一緒する機会も多いのですが、彼女たちのロールモデルや助言者は「お母さん」であることがとても多くて、影響力も絶大です。

「こうやって夜遅くまで働いていることに、母がいい顔をしないんです」とか「『これからの女性は仕事を続けなくちゃ、私の分も活躍して』って言葉がプレッシャーです」とか、「母が自分にしてくれたように育児をしたいので、専業主婦になりたい」などと言われることもあります。ふだん接するのは同世代の人たちが中心で、世代を超えて話をできる女性といえば「お母さん」がいちばん身近な場合も多いからかもしれません。

私は自分が子どもを持ってから、世の中が母親たちに求める「素敵なお母さん」像ってしんどいなぁと思うようになりました。子どものためならば自己犠牲も厭わない、子どもたちの心身の健康をどこまでも考える、感情的にならず叱りすぎずに良いところを見つけて伸ばし、スキンシップを怠らず、多くを与えるのではなくて良質な、できれば手作りのものを与えて......。正直、「ゼッタイ無理!」とため息が出てしまいます。

そして、子どもが周囲に比べて小柄だとか、学校での人間関係といったことに悩んだり、仕事のために習い事の送迎が難しかったり、長期休暇に学童保育に預けていて旅行に連れていけなかったりとかいったことが起こると、いちいち自分を責めてしまうのです。「ああ、母である自分が至らないからだ」。そんな気持ちが罪悪感にまで高まってしまうこともあります。

自分自身を振り返ると、学校から帰ると母が家にいて、手作りのおやつを出してくれたこと、平日も休日もいつもキッチンに立って食事を作ってくれたこと、家庭科の宿題を手伝ってくれたこと、家がきちんと整えられていたことなど、いろいろと思い出して比較しては、「それに比べて私ってダメな母親だ」とますます落ち込みます。同じ世代の周囲の友人たちと話をしていても、大なり小なり自分の「お母さん」像に縛られ、育児や仕事との両立に悩んでいたりします。

そんなふうに悩み苦しむ母たちがたくさんいる一方で、そんな母たちに育てられた女性たちから、「お母さんみたいにはなりたくない!」という声はあまり聞きません。どちらかと言うと「お母さんのようにならなくちゃ」「お母さんにほめられたい」と思い、「苦しい」とさえ感じている。それは苦しいに決まっています。だって別人格の女性だから。冷静に考えれば当たり前のことなのですが、大好きでどれだけ尊敬していても、自分と似ていても、全く同じ人格なわけがないのですから、目指し過ぎたら苦しくなるのは当然です。

また、私と同様に、「こんな風に育てなくちゃいけない」とある型をイメージして、育児をしてしまうお母さんたちもたくさんいて、子どもに対して、「思ったようになってくれない」と感じては苦しくなっているのだと思います。お母さんたちもまた、子どもが自分とは別の人格なのだということを、ついつい忘れて接してしまうのかもしれません。

「小分け」に母を見習おう

みなさんのお母さんの育った時代はどんな時代だったでしょうか? 働く女性については様々なデータがありますが、「男女雇用機会均等法」が施行されてから、実はまだ30年経っていません。「育児休業法」施行も24年前、女性の4年制大学進学率が短大進学率を上回ったのは19年前のこと。実は女性がこれほど活躍を期待されるようになったのはつい最近の事なのです。

それぞれの時代に育った女性たちは、「働く」ということや「家庭」に対して、どのような価値観を持っているだろうか、どんな苦労や喜びがあっただろうかと思いを馳せてみると、色々な気付きがあると思います。総合職第一号の世代、短大卒でなければ女性の一般職採用がなかった世代、育休がなかった時の両立世代、きっと多くの経験から自分なりの価値観を形成してきたことでしょう。若いみなさんたちと価値観が同じであるはずがないのです。

誰よりも期待をしてくれ、応援してくれるお母さんの言葉を、このような世代ごとに価値観の違いがあると知りながら聞いてみると、もしかしたら「私とは違う女性のお母さん」「お母さんとは違う私」として、これまでと違う感覚で付き合っていくことができるのではないでしょうか。もっと素直に、変なプレッシャーを感じずに、アドバイスや意見を受け取ることができるようになるかもしれません。

もちろん、やっぱり素敵なお母さんに憧れていても、その全人格ではなくて、「お母さんのココを真似したい」と、一部だけ見習うのも気持ちを楽にしてくれます。仕事上でロールモデルがいないと嘆く女性たちにいつも伝えている、「小分けロールモデル」の考え方と同じです。

「お母さん」が呪縛になってしまうか、素敵なひとりの女性ととらえられるか、自分次第で見方は変えられると思います。あなたはあなたの人格で充分素敵なんですよ。きっと、お母さんたちも心の奥ではそう思っていると思います。違う人格の女性どうしだからこそ、もっと大人になって誰にも言えない悩みができたり、愚痴を言いたくなったりしたときも、あなたそのものを受け止めて味方してくれるでしょうし、ときには耳に痛いこと、有用なアドバイスもしてくれるのではないかな、と思うのです。

そして、そんな母娘の付き合いができるようになると、素敵なお母さんに育ててもらったことに、心からの感謝を感じるようになるのではないでしょうか。

堂薗 稚子(どうぞの わかこ)
1969年生まれ。92年上智大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材系事業の営業職を経て「就職ジャーナル」副編集長、「リクナビ派遣」編集長、カンパニーオフィサー、ダイバーシティ推進マネジャーなどを歴任。13年、株式会社ACT3設立。女性活躍支援など、企業の組織開発・人材開発にかかわる調査・企画立案、コンサルティング・研修・講演などを行う。著書に『「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(KADOKAWA)。二児の母。

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