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国民食・焼き鳥に合うのは塩か、タレか それが問題だ

魅惑のソルトワールド(24)

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NIKKEI STYLE

日本人の国民食といえば、カレーライスやラーメンが頭に浮かぶ人が多いだろう。だが、私は実は「焼き鳥」もその列に加えてもいいのではないか、と思っている。

カレーライスには「カレーライス専門店」があり、ラーメンには「ラーメン屋」があるように、焼き鳥には「焼鳥屋」がある。「焼鳥屋」と言うと、酒を飲む人だけの楽しみと受け取られるかもしれないが、焼き鳥のポテンシャルはそんな狭い範囲にとどまらない。

カレーライスやラーメン同様、専門店以外の飲食店でも定番メニューとしてよく提供されているし、外で食べる以外の選択肢が豊富なのだ。近所のスーパーマーケットやコンビニエンスストアから、道すがらの露店まで、周りを見渡すと持ち帰りを前提として焼き鳥を販売している場所は多い。さらには、家で自分で焼いて食べたいという熱心な焼き鳥ファンのニーズに応えて、味付けする前の串に刺さった状態の「ready to cook」の焼き鳥や、それを家庭の食卓の上で焼きながら食べるための卓上焼き鳥器(グリル)も販売されている。

さて、アサヒグループホールディングスのアンケート調査(2017年11月22日~28日実施)によると、「焼き鳥は好きか?」という質問に「大好き」と答えた人は全体の66%もいた。さらに「まあまあ好き」という人と合わせると、なんと96.9%、つまりほとんどの人が「焼き鳥を好き」という回答をしている。年代別に見てみても、20~70代まで、いずれの年代でも「大好き・まあまあ好き」の割合は9割を軽く超えている。これほど支持を得ているのであれば、もう国民食と言っても過言ではないのではないか。

この「焼き鳥」に特徴的なのが、食べる際に「何で味付けをするのか」という選択が、食べる側に委ねられることが非常に多いという点だ。カレーライスなら辛さを、ラーメンなら麺の固さや太さ、背脂の量などを尋ねられることはある。しかし、味付けそのものを選択させることはあまりない。主に「タレか塩か」、焼き鳥はこの2択を迫られるのである。選択権が食べる側にあるからこそ、「焼き鳥の味付けを何にするか」は繰り返し語られ、常に意見が分かれてきた。

私の肌感覚では、コンビニエンスストアで以前に比べて塩味の焼き鳥の占める割合が増えていたり、同じ鶏肉料理である唐揚げでも塩味が発売されたりしており、「塩派が多いに違いない」と考えていた。その感覚が合っているかどうか、まずは、知人友人の中から20代~60代の男女20人の食いしん坊を選出し、「焼き鳥は塩派かタレ派か」と聞いてみた。結果、「塩派」が13人、「タレ派」が4人、「お店にお任せ」が3人と、圧倒的に「塩派」の勝利であった。肌感覚としては間違っていないようだ、と安心していた。

ところが、先ほどのアサヒグループホールディングスによる調査を見直して驚いた。それによると、「絶対にタレ派」が19.8%、「絶対に塩派」は12.3%と、タレ派のほうが塩派よりも優勢で、過半数を占めたのは「焼き鳥の種類に合わせて決める」というニュートラル派(52.9%)だった。

なるほど、塩かタレ、どちらか片方に偏重するのではなく、部位に合わせて最適な調味料を選択するという、フレキシブルでニュートラルな焼き鳥の楽しみ方が主流というわけだ。たしかに塩派の私も、つくねだけはなんとなくタレを選択してしまう。なお、お店のおすすめに敬意を払っているのか、はたまた本当にこだわりがないのか、「どっちでもよい」も15.0%存在する。

塩派は「素材が良い時は塩に限る。肉のうまさが一番ダイレクトに楽しめる」などの意見がある。タレ派では「店によってタレの味が違うので、それも焼き鳥の楽しみの一つだと思う」など。部位に合わせる派は「皮はタレ、ももは塩など、自分の中でルールがある」、どっちでも良い派の意見は「お店の人が一番よい食べ方を知っているので、お任せしたほうが安心」などだ。

それぞれの派閥から繰り出されるこだわりと理由。焼き鳥が幅広い層に愛されている要因は「おのおのの好みに合わせてフリースタイルで楽しめる」という点にもあるのかもしれない。

大人気の焼き鳥だが、いったいいつから食べられているメニューなのだろうか。そもそも焼き鳥の定義とはなんなのか。

業界・愛好家・企業などの垣根を越えて組織した団体の「日本焼き鳥協会」によれば、例外はあるとしているものの、焼き鳥の定義を「(1)鶏、豚、牛等の畜産物(野生含む)の肉、或(ある)いは内臓等の素材を使用している」「(2)食べやすい大きさに加工され串に刺している」「(3)塩塩或いはタレなどで味付けをし焼き上げている」の3つとしている。

ここで注目してほしいのは(1)である。関東出身の私にとって、焼き鳥とは鶏肉または鶏の内臓が串に刺さったものを指す。だが、地方によっては素材が異なることがある。例えば北海道の室蘭では、「焼き鳥」といえば豚肉を串に刺したものを指すという。同様に山形県寒河江市でも豚肉がメインで使用されるという。そのほか、定義についても例外があり、今治地方では、鶏肉(主に鶏皮)を串に刺さずに焼いたものを「焼き鳥」と呼ぶ。味付けもフレキシブルなら、その定義もやはり自由度が高いようだ。

なお、日本で焼き鳥が最初に登場したのは、江戸時代中期と言われている。当時の文献に「鶏の肉を串に刺して焼く」という調理法が掲載されており、この時期に現在の「焼き鳥」の原型ができたと考えられている。安価なブロイラーがアメリカから導入された昭和30年代後半になって、ようやく現在のように大衆的な焼鳥屋が増加した。この短い期間に庶民の定番人気メニューにまでのしあがったのである。

タレ派やフレキシブル派がいるとわかってはいるが、ソルトコーディネーターとしては、塩派のために「焼き鳥におすすめの塩」もご紹介しておきたい。

もちろん部位によっても異なるのだが、焼き鳥の場合は塩が直接舌に当たる場合が多いので、しょっぱさが強すぎる塩だと、肉の味よりも塩の味が目立ってしまうことがある。そのため、あまりしょっぱさが強すぎず、うまみがあるタイプ、つまり成分でいうとナトリウムはそこそこで、マグネシウムやカリウムを適度に含むタイプがお勧めだ。自宅で焼き鳥をする時は塩派、フレキシブル派の人は、ぜひ色々な塩をつけて楽しんでみてほしい。また違った楽しみ方が見つかるかもしれない。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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