将棋で磨く「仕事の勘」 ゴール目指す戦略立案力培う「仕事は将棋に置きかえればうまくいく」 加藤剛司氏

最近は経営論の分野で、困難に直面しても折れずに持ちこたえるレジリエンス(回復力)が重視される。加藤氏は将棋の上達につれ、粘り強く考え、しぶとく戦う「思考の体力」が養われると強調する。戦力不足で劣勢の場面でも、丁寧に盤面を見ながら考え、逆転の手筋を見つける。その醍醐味を求めるうちに、自然と「何とかする力」が鍛えられるというわけだ。

ネット対局で経験値

将棋や囲碁をたしなむ経営者のなかには「対局はネットで」と話す向きも多い。加藤氏は「近ごろはインターネットで対局できる場が広がり、忙しいビジネスパーソンでも将棋に触れやすくなっている」という。ネット対局なら時間や場所を選ばず、大してお金もかからない。加藤氏は「将棋の対局は、実質ノーリスク。でも、学びの効果はハイリターン。負けてくやしさを味わえば、勝ったときに相手のことを思いやれるようにもなる」と、将棋愛満開で語る。

相手の玉を詰ませて決着する将棋。だが、そこに至るプロセスは無数にある。「たくさんの攻め方があると分かっていれば、焦ってひとつの攻め方で無理押ししないで済む。将棋で戦略を学ぶことは、ビジネスの場面に余裕や成功を呼び込んでくれる」。加藤氏の言葉は長年の将棋経験に裏打ちされていて、頼もしく聞こえた。

加藤剛司
構成作家、ライター。1967年名古屋市生まれ。ニッポン放送の「テリー伊藤 のってけラジオ」など、ラジオ番組を多く手がける。上智大学文学部卒。同大将棋部で活躍した。
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