ベトナムで働く先輩たちから教えられたこと
明大生、ベトナムで文具を売る(8)
皆さんいつもご覧頂きシンカモーン!! お久しぶりです! 明治大学3年の大谷遼です。今年1年も私たちの投稿も終わりに差し掛かる中、3年の私は就職活動の準備に追われる毎日を過ごしています。この夏のベトナムインターンシップの経験もきっと就職活動を後押ししてくれることでしょう!!
さてさて前回は私たちの集大成があいにく2位という結果に終わってしまい悔しくて久しぶりに号泣したことを思い出しました(笑)。翌日は目がぱんぱんでした。この涙は、本気でこのプログラムに取り組んでいた証拠でもあります。海外で働くという厳しさも短期間ながらしみじみと痛感しました......。しかしこのプログラムはただ文房具を販売し結果を出すだけではなく、実際にベトナムで働くキャリアパーソンにお話も聞かせて頂くこともできました。とてもためになること多かったので、私が代弁して皆さんに紹介させて頂きたいと思います。
1.孤児の独立や職業支援活動をする白井さん
まずはこの方について紹介しようと思います。この方は約20年前にベトナムの孤児院を訪ね、「この子たちのために自分は何かできないか?」と試行錯誤した結果、現在孤児の独立や職業支援活動を行われている方です。また住宅や教育、医療も全面的に支援を行っていることから親のような存在でした。
私たちは、白井さんが孤児育成のために立ち上げたレストランを訪問し、食事を取りながらお話を聞かせて頂きました。ベトナムでベトナム料理を食べられるのは屋台か高級レストランしかなかったため、あえて中間の値段設定をしたレストランにしたそうです。また、このレストランは営利目的ではなく、孤児のトレーニングとしてお店を出しているので、テレビ取材などは断っているそうです。もう何度かすでにお断りをしているとのことでした。
お話の中で特に印象に残ったメッセージを皆さんと共有しようと思います!!
○「若さは最大の武器」
「皆さんはいつでも諦めずに努力をすれば報われると思いますか?」。いいえ、報われません。人間は寿命が決まっており、時間は待ってはくれません。人生の逆算をした時に何が見えて来るでしょう......そうです、「若さ」の重要性です! だから若いうちから失敗を恐れず周りの目を気にせずどんどん行動しましょう! というより失敗なんて存在しないのかも。全ての行動に「価値」があるのです。
〇「体験には賞味期限がある」
「皆さんは昔体験したことを覚えていますか?」。どこか頭の片隅に記憶は残っているかもしれないですね。でもそれは結局思い出止まりです。「あーよかった、あの時は」で終わってしまうのです。
私たちのこのインターンシップで例えてみましょう!!
(1) 文房具を販売するため多くの準備をしました。
(2) 実際にベトナムで販売し結果も出しました。
(3) インターンシップが終了し帰国しました。
これではダメですよね。このインターンシップで何が得られ、どんな課題が生じたか振り返ることが大切なのです。だから私たちは日経カレッジカフェという場をお借りして、インターンシップの振り返りをしています。ぜひ皆さんも記憶に残すのではなく記録に残してみて下さい。
2.明治OB・OG会の社会人の話
明治大学出身で現在ベトナムで働いている社会人の方をお呼びして、たくさんのお話を聞かせて頂きました。貴重な休日にもかかわらず明治の後輩のためならと、多くの先輩方にお集まり頂き感謝でいっぱいでした! 汗水流しながらベトナムを駆け巡る若手社員の方。組織の上に立ち日本語と英語とベトナム語を使いこなしながらベトナムの社会を支えるベテラン社員の方。会社が違えば業界も違う。しかし、一つだけOB・OGの皆さんに共通していたことがありました。それは「前向き」であることです。
ベトナムでの仕事は決して楽ではありません。言語の壁があり環境の違いもあり収入など金銭的な面でも......。それでも、現状を前向きにとらえている先輩たちの顔には辛さは感じられませんでした。それどころか満面の笑みでベトナム生活を楽しんでいるように私は思いました。そして一人の先輩がこう私にアドバイスをしてくれました。
「向き、不向きより前向きに」
私はこの言葉に感動しました。どんなに得意不得意があってもとりあえず前向きに行動することに価値があるのです。最後は全員で明治大学の校歌を合唱してベトナムで明治魂を感じてきました(笑)。
3.イオンモール日本人社員のお話
私たちはホーチミンにあるイオンモールを視察してきました。想像していた何十倍も発展をしていて驚きました。
日本のショッピングモールとあまり変わらないですよね? ベトナムはそれだけ発展しているということです! 日本も負けてはいられませんね。しかし、ベトナムについてみなさんもまだ分からない部分があると思います。そこで私たちは、ベトナム市場をよく知るイオンモールの日本人社員の方にお話しを伺ってきました。
――現在のベトナム市場はどんな状況ですか?
「毎年GDPが伸びていて且つインフレ率が低く経済が安定しています」。(著者感想、以下同。まるで一昔前の日本を見ているみたいですね~~)
――ベトナムならではの特徴はありますか?
「バイクでの来客が多く入退場が不便です」。(日本のショッピングモールの駐車場を思い出してください。精算する時には確かに1台ずつですよね。もしベトナムのあのバイク量が一斉に押し寄せてきたら、きっと大渋滞でしょう)
「日本とは違い1年を通して売り上げが平行」。(これはなぜだと思いますか? 日本にはあってベトナムにはないもの。それはズバリ「四季」です。日本は春夏秋冬があり、洋服や食品など気づかないうちに四季に合わせ買い物をしています。しかし、ベトナムは1年中気温が高く四季があまりません。だから売り上げが平行し伸び悩んでいるそうです。また年中暑く家庭にエアコンがない家が多いため涼み目的でいらっしゃる方も多いらしいです(笑))
――日系企業がベトナムで勝ち残るために必要なことは何ですか?
「日本の品質だけで勝負せずに値段と品質のバランスに気をつけることです」(ベトナムには日本で見たことのある企業がたくさんありました。一方、ベトナムで利益が出ず撤退していった日系企業もたくさんあったそうです)
このように実際に現地に行ってみて、インタビューしなければ分からなかったことが多々ありました。日本の中の蛙、世界を知らず。
グローバルに活躍する社会人とは?
今回は私たちの話ではなく、現在ベトナムで活躍する先輩の話をさせて頂きました。2日間しか営業体験していないのにもかかわらず苦労した私たちにとって、何年も働いている先輩方は偉大で尊敬する存在でした。ではなぜ、このような存在に見えるのだろうか? それはぶれない軸を持っていたことです。どんな困難があったとしてもそれに負けない軸が先輩たちにはありました。
しかし、私はぶれない軸を作ろうとは思いません。なぜなら軸は自分で決めるものではないから。さまざまなことにチャレンジし、行動する中で軸というものが自然と定まっていくと思うからです。だから些細なことでも行動をし、答えを見つけようと思います。
次回はいよいよ最終回「ジャパネット冨田解散、私たちからのメッセージ」です。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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