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参加者数が予定の100倍!?  第1回の勉強会は大波乱

全脳アーキテクチャ若手の会!(3)

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NIKKEI STYLE

連載第1回では、全脳アーキテクチャ若手の会の残念すぎる設立理由を、連載第2回では坂井美帆さんとの出会いと、全脳アーキテクチャ若手の会という名前が決まった経緯についてお話ししました。さて、今回は現在の全脳アーキテクチャ若手の会の主な活動スタイルを作ったともいえる、第1回全脳アーキテクチャ若手の会勉強会のお話をしようと思います。大波乱でした。

これは2014年10月の出来事です。そのころ勢いで作ったFacebookグループには、先生方が各方面に紹介してくださったこともあり、徐々に人が集まり始めていました。坂井さんとの話し合いもまとまり、まずは大澤を講演者として、最近人工知能で話題の技術について小規模な勉強会を開催することになりました。

学生が講演者ならば聴講者は10人ちょっと。多くても20人くらいだろう。そんな見積りで会場を確保して、順調に準備が進んでいました。ところが予想を裏切って嬉しい誤算があり、26人の方が申し込みをしてくれていました。申し込みをしてくれたすべての人に勉強会に参加してもらうためには、もう少しだけ広い会場が必要でした。困った私は、山川宏先生に助けを求めたのです。30人くらい入れる勉強会会場を借りたいとお願いすると、山川先生は快く引き受けてくださり、僕も安心していました。しかしそれは間違いだったと、すぐに理解しました。

一夜で一変した勉強会

「108人の会場を確保しました」。それが次に私が山川先生から受け取ったメールでした。その次は、「ドワンゴの社員もみなさん聴講しにいらっしゃいます」。そして、最後はこうです。「ニコニコ生放送することになったので、ヨロシク」。十数人を想定して準備を進めていた勉強会は、たった一夜にして全く別のものに変化を遂げました。

それからの1週間、私は生きた心地がしませんでした。そう、そもそもあのやり取りは講演の1週間前の出来事なのです。朝も、昼も、晩も、論文や書籍、ウェブの資料を読み返し、スライドを追加し、修正し、削除し、発表の練習をする。不安は募るばかりでしたが、不安がっている暇もありませんでした。

2014年10月9日 第1回ディープラーニング勉強会

ついに迎えてしまった発表当日。今振り返ると、この日、発表の場に立つまでのことは緊張しすぎて何も覚えていません。気の遠くなる不安と緊張の中、やるしかないと覚悟を決めてマイクを持つのでした。壇上に立ち、カメラを向けられ、すべての席を埋める人。それでも足りずに会場に運び込まれた椅子。そして、それをも埋める人。大勢の聴講者の前に立ち、私の緊張は絶頂に達する......! と思いきや、ちょっとだけその状況を楽しんでいる自分がいることに気づきました。

講演が始まって30分くらい経ったころでしょうか。講演中に質問が投げかけられました。これがきっかけでした。質問者と話をしている時に、私は2つの大きな変化を感じたのです。1つは自分が今までよりリラックスして話をしていることです。準備してきたことを間違いなく話さなければならないプレッシャーから解放されたからでしょう。そしてもう1つは、会場の表情です。最初よりも、聴講者が自分に対して意識を向けてくれていること、そして好意的に聞いてくれていることを感じました。その時初めて私と会場に一体感が生まれたのです。

私は思い切って、自分が話そうと思っていた内容を少しだけ変えて、会場からの質問やツッコミが入りやすい話し方に変えました。効果は絶大でした。後日、講演の録画映像を確認すると、2時間の講演時間の中で実に1時間は会場とのコミュニケーションに使っていました。

さて、苦労に苦労を重ねた第1回全脳アーキテクチャ若手の会勉強会を終えてみると、実際に会場に足を運んでくださった方は100人以上。ニコニコ生放送の視聴者数は1371人。コメント数953件。10人ちょっとという当初の予定から、実に100倍近い参加者数です。驚いたのは、想像以上にニコニコ生放送での好意的なコメントが多かったことです。もちろん、「単純なことをわかりにくく説明する、慶應生らしいな」とか、「確立じゃなくて、確率な。誤字くらいちゃんとチェックしてこい」なんてコメントもあったのですが、数えるほどでした。というよりも開始30分頃、初めて質問を受けたあの時から、明らかにネット上でも流れが変わっていました。

それから、どうなったのか?

あの日のプレゼンテーション中、私は自分がどんどん成長していくのを実感しました。以来「大澤のプレゼンは炎上マーケティングだ」なんてよくいわれますが、その通りだと思います。こうして今後ずっと続く、私なりのスタイルを獲得することができたのでした。この勉強会を終えて変わったのは、私自身だけではありません。全脳アーキテクチャ若手の会という会自体が、これをきっかけに大きな変化を遂げます。

私がたくさんのものを得たこの勉強会スタイルは、今もたくさんの学生に体験してもらっています。学部生が1から勉強して、ストーリーを組み立てて、実際に発表する。発表者は、以前とは比べ物にならないほどの専門知識やプレゼンテーション能力、論理的思考力を手にします。およそ2カ月から、長い時には半年かけて準備してもらうこともあります。たとえ学部1年生が発表者でも、聴講者が満足できるプレゼンテーションになるまでは、決して勉強会を開催しません。ですからプレゼンテーションはどれも本当に面白い。

全脳アーキテクチャ若手の会のいま

注目してくださる方の層は日に日に広がり、「運営メンバーになりたい」「スポンサーになりたい」といろいろな方に言っていただけるようになりました。驚くほど優秀な方がたくさん集まって、私が代表でいいのか。本当に悩むほどでした。

そして、今の全脳アーキテクチャ若手の会ができたのです。誤解を恐れずに言えば、創立から2年間、私がこの会の代表としてやったことは、メンバーの前に立ち、適切な方向性を示すことでもなく、メンバーを向上させるために最高の指導者としてあり続けることでもありませんでした。ただ、すべての人を受け入れ、真剣に向き合い、その方のやりたいことを応援しました。正確にいえば、それくらいしかできませんでした。

その結果、ある人はウェブページを作り、ある人は運営メンバーの名刺やストラップ、さらにはプロモーションビデオを作りました。関西支部や社会人支部を立ち上げた方、データ解析の部活を開催した方、難解な洋書の輪読会を始めた方、女子会トークをYouTubeにアップした方など、個々が主体的に動き、「脳やコンピュータが作る知能」をキーワードに、活動の幅がみるみる広がっていきました。

個々が伸ばした枝葉は、さらに多くの人を惹きつけていきました。

そして2016年5月、ついに全脳アーキテクチャ若手の会の参加者は1000人を超えました。これから、どんな方がまた新しくこの会に加わってくださって、どんな活躍をしてくださるのだろう。そう考えるとワクワクしてきます。これから30年、40年先もずっと、ここで出会った仲間たちと共に未来を作っていけたらいいな。と、そんなことをぼんやりと考えながら日々過ごしています。

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