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我が子のゲーム依存防ぐルール作り 5つの必須条件

日経Gooday

2018/12/21

前回「長期休暇は引き金になりやすい! ゲーム依存に注意」で紹介したように、脳の中の理性をつかさどる部分(前頭前野)は年齢とともにゆっくりと発達していくので、高校生、大学生と大人に近づくほど、少しずつ自己コントロールできるようになっていく面もある。長い時間をかけて様々なサポートをしながら、本人の気づきや成長を促すという覚悟と根気強い関わりが必要だ。

■リアルな生活の充実が依存の予防に

塾や部活など、「ゲームをしない時間」を作っていくことも大事。写真はイメージ=(c)Kostic Dusan -123RF

治療中も、単にゲーム時間だけ減らせばいいわけではなく、並行してリアルな生活を充実させることを考えていくとよいそうだ。例えば部活に一生懸命取り組んでいる、友達との関係がしっかりできているなど、現実社会に溶け込んで周囲の人ともうまくコミュニケーションがとれていれば、依存になりにくいことが分かっているからだ。

「高校生以上ならアルバイトという選択肢もあり、ゲーム機を買うなどの動機であっても、しないよりはしたほうがいい。それ以外でも塾、部活などゲームをしない時間をあえて作っていくことが大事です」(樋口さん)

子どもは社会的な体験が不足していることが多いので、アルバイトでも塾でも、それに面白みを見つけられたら、ゲームの面白みを減ずることになる。すると態度にも柔軟性が出てきて説得を聞き入れてくれるなど、希望が見えてくるという。

「実際、ゲーム依存の真っただ中で短期間の海外留学を体験し、ゲーム以外にも現実生活でこんなに面白いことがあるんだと気づいて視野が広がったという人もいました。実はバーチャルなゲームは世界の中のごく一部だと思えるようになることがとても大事なので、何でもやってみることですね」(樋口さん)

■親子で一緒にルールを作ろう

ゲーム依存を未然に防ぐためにも、子どもがスマホを使い始める段階で、付き合い方を親子で話し合い、守るべきルールを決めておくとよい。以下のようなポイントを参考に、最低限、使う時間と、使ってはいけない状況(食事、入浴など)は明確にし、守れなかったときにどうするかまで、本人が納得したうえで決めておきたい。

【ゲーム依存を防ぐ ルール作りのポイント】

(1)「機器は親が貸し与える」
スマホやタブレットなどの機器は親が貸し出すという形を明確にし、一定の条件に従わない場合には返してもらう。パスワードも親が管理する。

(2)「ゲーム時間・場所を決める」
スマホのタイマーやロック機能を利用するのも一法。ただし、子ども自身が「なぜタイマーやロックが必要か」を理解しておくことが大切。なるべく家族の目の届くところでやるように場所も決めるほうがよい。

(3)「スマホを使ってはいけない状況を決めておく」
食事中は使わない、風呂場には持っていかない、学校には持っていかないなど。塾や習い事など、あえてゲームをできない時間を本人が納得する形で作るのもよい。

(4)「お金の使い方を決める」
ゲーム、アプリのダウンロードや課金の限度額を決めておく。

(5)「ルールは書面に残し、守れなかったときの約束を決めておく」
守れなかったらどうするかを決めておかないと、簡単に破れるルールとなって意味がなくなってしまう。一つひとつを子どもと一緒に確認しながら書き、家族全員で同じルールを守ることが望ましい。

「個人差はあると思いますが、一般的に、子どもにスマホを持たせる年齢が早いほど依存のリスクは高くなると思うので、持たせる年齢は遅ければ遅いほどいい」と樋口さんは言う。

また、「子どもは大人の行動を見てまねをする」と樋口さんも指摘するように、大人自身もゲームやスマホとの向き合い方を見直してみる必要がありそうだ。ゲーム依存は大人にも確実に増えている。樋口さんのもとを訪れる患者の中には、仕事などの活動はなんとかできているが生活の中心はゲームという「グレーな」人も増えているという。

特に年末年始などの長い休暇には、することもなくダラダラとオンラインゲームに走りがち。意識して別の時間の使い方を工夫してみるなど、ゲームとリアルな生活とのバランスを省みてみよう。

(ライター 塚越小枝子)

樋口進さん
独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター院長。1979年東北大学医学部卒業。慶應義塾大学医学部精神神経科学教室に入局、1982年国立療養所久里浜病院(現・国立病院機構久里浜医療センター)勤務。米国立衛生研究所(NIH)留学を経て1997年国立療養所久里浜病院臨床研究部長。2012年から現職。日本アルコール関連問題学会理事長、WHOアルコール関連問題研究・研修協力センター長、WHO専門家諮問委員(薬物依存・アルコール問題担当)。

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