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サクッぷるぷる「ペーパー包み」 揚げ出し豆腐の極意土屋敦の男の料理道(3)

揚げ出し豆腐とだし 本葛粉の衣はだしをかけてもサクサク

この方法にはさまざまなメリットがある。まず一度しっかり包んでしまえば、そのあとは動かしたり、手で持ったりしても崩れる心配がない。直に豆腐に塩をまぶそうとすると、豆腐を裏返す必要があり、その際に豆腐が少し崩れることもある。しかしペーパーに包んでから塩をすれば、その心配はなく、また過度に塩味がつきすぎることもない。

20~30分ほど置いてキッチンペーパーを取り除くと、豆腐の角が取れ、丸みを帯びるのだが、これは、根菜なども煮崩れを防止するために鋭い角を落とす面取りと同じ効果がありそうだ。さらにキッチンペーパーのザラつきが、豆腐の表面に転写され、つるつるとした豆腐の表面に細かな凸凹ができている。これは、粉が付きやすく、はがれにくくなる効果を生む。

また、塩の効果も見逃せない。豆腐は加熱したときにタンパク質とカルシウムなどが結合してボソボソとした食感になってしまうが、塩にはそれを防ぎ、なめらかな食感を保持する効果がある。

ほかにも豆腐が崩れにくくなる方法としてよく言われている、重しをして水切りをする、電子レンジにかける、塩水につける、などを試したが、「キッチンペーパーで包む+塩」が、最もぷるぷる感を保持しつつ、崩れにくかった。上述のような副次的なメリットも含め、揚げ出し豆腐を作る上ではピカ一の方法だろう。

さて、こんなふうに絹ごし豆腐の崩れやすさを防いだうえで、今度はまぶす粉について考えたい。片栗粉がもっとも一般的だろうが、ほかの粉類も試してみたい。

用意したのは、片栗粉以外に、コーンスターチ(トウモロコシのでんぷんで、ケーキやクッキーの口当たりを軽やかにしたり、カスタードクリームづくりなどに使われる)、浮き粉(小麦のでんぷんで、コーンスターチ同様の用途の他、手打ちうどんの打ち粉などに使われる)、わらび餅粉(本来はわらびの地下茎から取られるが、購入したものはサツマイモのでんぷんに、わらびのでんぷんを混ぜたもの)、本葛粉(葛の根のでんぷんでくず餅、くずきりなどに使われる)。これらはジャガイモのでんぷんである片栗粉同様、植物から取り出したでんぷんの類い。それに加えてコメ粉(うるち米の微粒粉末)、そば粉、そして小麦粉だ。

最もよかったのが本葛粉である。サックリとして、衣の味そのものが美味。ほかの粉類だとだしやあんをかけてると、しんなりしてしまうのだが、本葛粉はサクサク感が継続する。味の面ではそば粉も美味だったが、しっとりとした食感で豆腐からはがれやすく、またそばの味が強すぎて、普通の揚げ出し豆腐の味とは少し乖離(かいり)してしまう。

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