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食の達人コラム

サクッぷるぷる「ペーパー包み」 揚げ出し豆腐の極意 土屋敦の男の料理道(3)

2018/12/19

家庭では少ない油で、フライパンで作るのが一般的=PIXTA

ただ、本葛粉の衣にははがれやすいという難点があった。その点で優秀なのは片栗粉。片栗粉の衣はほかの粉に比べて粘りが強く、また粘り出す温度も65度とほかの粉よりも低い。だから、加熱を始めると、より低い温度で粘り出し、豆腐からはがれにくくなる。

そこで考えたのは、最初に片栗粉をまぶし、そのあとに本葛粉をつけるという手法だ。これなら、片栗粉の粘りで衣ははがれにくく、表面はサクサクとおいしい。本葛粉は通常、さらさらの粉ではなく、小石ほどの大きさに固まっている(微粉末にしたものも最近は売っている)。これをすり鉢ですりつぶして粉末にし、さらにまぶすのだから、相当に面倒だが、最高に美味な揚げ出し豆腐を食べたいなら、使う価値はあると私は思う。

さて、冷蔵庫からキッチンペーパーで包んだ豆腐を取り出し、ペーパーを取り除いて片栗粉と本葛粉をまぶしたら、いよいよ揚げる。ここでは油を節約するため、フライパンに油をひき、豆腐を一面ずつ、揚げいためにすることにしよう。

使う油にこだわるならよけいな味がせず、熱が入ってもおいしい太白ごま油を推奨する。フライパンに接した面がカリッと揚がったらフライ返しを差し入れ、90度回転させて次の面を揚げる。これを5回繰り返せば完成だ。

これで、サックリぷるぷるの揚げ出し豆腐は完成。だしはかつおだしを使い、本葛粉でとろみをつける。薬味には、おろしショウガ、ダイコンおろし、刻んだ小ネギ。もちろん薬味にも工夫の余地がある。セリ、ミツバ、青ジゾ、ミョウガ、青トウガラシ、ネギ、ユズなど、季節に合わせて薬味を変えれば、一年中楽しめる。

土屋 敦

ライター 1969年東京都生まれ。慶応大学経済学部卒業。出版社で週刊誌編集ののち寿退社。京都での主夫生活を経て、中米各国に滞在、ホンジュラスで災害支援NGOを立ち上げる。その後佐渡島で半農生活を送りつつ、情報サイト・オールアバウトの「男の料理」ガイドを務め、雑誌などで書評の執筆を開始。著書に『男のパスタ道』『男のチャーハン道』(いずれも日本経済新聞出版社)など

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