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サクッぷるぷる「ペーパー包み」 揚げ出し豆腐の極意土屋敦の男の料理道(3)

揚げ出し豆腐=PIXTA
揚げ出し豆腐=PIXTA

居酒屋の定番おつまみである揚げ出し豆腐。しかし、家で作るのは案外難しい。作っている途中で豆腐が欠けたり、崩れたりしてしまうことが結構ある。

その理由は豆腐をいじりすぎるから。居酒屋や料理店では豆腐に衣をつけて油がたっぷり入ったフライヤーで揚げる。しかし家庭では、揚げ出し豆腐のためにたっぷりの油を使うのがもったいないので、少量の油をフライパンなどに入れ、衣をつけた豆腐を回転させつつ、すべての面をカリッときつね色にし、だしやあんをかける、という作り方をすることが多いだろう。そういった作り方だと、豆腐を何度も回転させるので、どうしても崩れやすくなるのだ。

また、揚げるとき以外に、豆腐が崩れやすいのは、豆腐に片栗粉などの粉類をまぶすときだ。豆腐に粉をまぶすと水分を吸って粘りが出る。この状態で手で豆腐と持つと、ちょうど水を吸った粉がのりのような役割を果たしてしまい、手を離すときに、豆腐の一部がはがれて手にくっついてきてしまうのだ。

家庭で揚げ出し豆腐をうまく作るアドバイスとしては、「絹ごしではなく木綿豆腐を使う」というのが定番のようだ。ただ、揚げ出し豆腐の魅力は、なにより衣がサックリとして、中身がぷるぷると軟らかいこと。木綿豆腐だと、このぷるぷるとした軟らかさが損なわれてしまう。

絹ごし豆腐に重しをして水分を出して固くしてやる方法もある。しかしこの方法でも絹ごし本来の軟らかさは少し失われる。理想的なのは、崩れないように豆腐の内部は水をたっぷり含んで軟らかく、外側は硬めで崩れにくい、という状態だろう。

煮崩れを防止する方法として、ユズなどのかんきつ類の搾り汁を豆腐をからめる、という方法がある。クエン酸がタンパク質を固めることで、煮崩れにくくするというのだ。実際にやってみるとたしかに、手で持っても崩れにくくなる。それでいて内部は水分をたっぷり保持しているのでぷるぷる感は保たれる。

しかし、そうやって下処理した揚げ出し豆腐として食べると、どうしても豆腐が酸っぱく感じて違和感がある。豆腐を賞味期限を超えて放置しておくと酸味がでて酸っぱくなる。だから、酸っぱい豆腐というのは、どうしても腐敗を想起させてしまい、あまりおいしく感じないのだ。

そこで考えたのが、キッチンペーパーで切り分けた豆腐を包んでしまうという方法。ごく単純に、紙に水分を吸わせることで豆腐の表面に近い部分の水分を吸い出そうというのだ。包んでキッチンペーパーが湿ってきたら、さらにペーパーの上から塩をふる。そしてそのまま、20~30分ほど冷蔵庫に入れておく。

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