新時代に揃える「勝ち靴」 3足でオンオフを履き回す
仕事も休日も、スタイルが多様化する昨今、居心地のよい装いを考えるとオン・オフとも程よいMIXがキーワード。傾向の異なる3足を用意すれば、さまざまなTPOに対応でき、バランスのとれた装いを展開していけるのだ。
スーツにほんのりカジュアルな要素を取り入れて柔らかに仕上げる。逆に休日服にドレスの要素を取り入れて大人の品をプラスする。装いの自由度が増している今だからこそ、そうした"MIXの巧さ"がお洒落か否かを分かつポイントになっている。靴はそうしたスタイルをまとめあげ、ときにそれ自体がMIX感のキーとなる最重要アイテム。その日纏いたい服と照らし合わせて慎重に選びたい。
とはいえ、あれこれ何足も用意する必要はない。最低限必要なのは「正統派のドレス靴」、「ドレスとカジュアルを横断する汎用性の高い靴」、そして「スニーカーなどのカジュアル靴」の3タイプ。装いの引き締め役として、あるいは抜け感を醸し出すアクセントとしてこれらを履き分ければ、今らしい新味のあるスタイルを十分築けるだろう。ここではそれを実証すべく、平成に人気を博した名靴のなかから3足を選び、1週間分のコーデを組んでみた。これが新時代のコンサバスタイルである。
コンサバお洒落な1週間が叶うのはMIXに効く平成鉄板の3足
1. スーツに万能な
エドワードグリーンのバークレー
名作になった年:平成16年(2004年)
傑作チェルシーの一文字に、穴飾りをつけたモデルがバークレー。黒でなくあえて茶を選ぶとこの靴の洒脱な側面が引き出され、ボーダーレス化した今の装いに幅広く対応してくれる。木型は細身の「82」。 15万9000円(エドワードグリーン銀座店)
2. ドレカジの抜け感と品を両立
パラブーツのドレスシャンボード
名作になった年:平成29年(2017年)頃
多彩な装いに合う靴として評価の高いシャンボード。その製法を武骨なノルウィージャンからグッドイヤーにし、ドレスカーフに変えたのが、2010年に登場した今作だ。ドレスとも好相性のバランスが時代にマッチし、人気を得ている。 7万円(パラブーツ青山店)
3. 通勤にも受け入れられる
ニューバランスの996
名作になった年:平成初期~
昭和63年誕生。以後お洒落スニーカーのトップランナーとして平成を駆け抜けた996。細身&クラシックな意匠は確かに多様な服に馴染みやすい。とくにグレーはシックに履け、スニーカー通勤にも好適。 2万7000円(ニューバランス ジャパンお客様相談室)
MON. × 1. エドワードグリーン
ダブルスーツの風格を茶靴&茶タイで柔らかく
クラシックなダブルスーツに茶のパンチトキャップトウを合わせたことで、今らしいツイスト感が生じている。足元だけが浮かないよう茶のタイを合わせたのもポイントだ。
TUE. × 2. パラブーツ
ツイーディーなスーツにボリューム底がマッチ
レス木型を採用しつつ底周りに程よくボリュームもあるこの靴は、紡毛スーツと最高のマッチング。胸元とソックスをブルー系で統一したことで、軽快感も加わった。
WED. × 3. ニューバランス
紺とグレーでまとめればスニーカー通勤もぐっとシック
元の軽快感に合わせてストレッチ素材のスーツ+ブルゾンコートというややカジュアルな服をセレクト。それでいて全身の色数を抑えたことで、仕事もこなすスポーツMIXが完成した。
【もしスニーカーがNGだったら……】
2. パラブーツでドレス感をキープしつつリラックス
このコーデは足元をパラブーツに変えてもOK。リラックスした中にもドレスな雰囲気を保てる。
THU. × 1. エドワードグリーン
出来る男の色気がにじみ出るアズーロ・エ・マローネ
イタリア男の好む紺×茶。スーツ姿をこなれて見せる、鉄板の配色。
FRI. × 2. パラブーツ
ジャケパンの気楽さに馴染みつつ品もアップ
タイドアップの代わりに黒タートルで寛ぎと品を加えたジャケパンスタイルに、足元のパラブーツがジャストマッチ。カジュアルに流れすぎない気配りが好印象を築く。
SAT. × 3. ニューバランス
アーシーなカラーに映える足元のグレースニーカー
アクティブな休日スタイルだが、アーシーな色合いで揃えたことでしっかり大人っぽさも堅持。足元がハイテク系スニーカーでなくクラシック顔のNBというのも効いている。
SUN. × 2. パラブーツ
ラフになりがちなスタイルを黒のパラブーツで引き締める
ランチコート的なブルゾンにグレーのデニムというややワイルドな合わせ。それでもリアルムートンを用いたブルゾンのラグジュアリーな風合いや、足元のドレス木型のパラブーツが効き、土臭くなり過ぎない洗練された休日スタイルに。上半身のボリュームを靴がしっかり受け止めている点にも注目。
※表示価格は税抜きです。
※「名作になった年」は編集部調べ。
撮影/若林武志〈静物〉、彦坂栄治(まきうらオフィス)〈人物〉、武蔵俊介〈静物〉、久保田彩子〈静物〉、長尾真志〈取材〉、恩田拓治〈取材〉、荒金篤史〈取材〉、手塚 優(BOIL)〈取材〉、村上 健〈取材〉 スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/松本 順(辻事務所) 構成・文/小曽根広光、伊澤一臣 文/吉田 巌(十万馬力)、秦 大輔、安岡将文、川瀬拓郎 イラスト/綿谷 寛 撮影協力/GOOD MORNING CAFE虎ノ門、EASE
[MEN'S EX 2019年1月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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