異分子を結び「超・百貨店」へ Jフロント社長の挑戦J・フロントリテイリングの山本良一社長(上)

J・フロントリテイリングの山本良一社長
J・フロントリテイリングの山本良一社長

大丸松坂屋百貨店やパルコなどを傘下に持つ小売り大手のJ・フロントリテイリング。2017年、東京・銀座に開業した「GINZA SIX(ギンザシックス)」は脱・百貨店のビジネスモデルで注目を集め、抜群の集客力を誇る。主導したのが13年に就任した山本良一社長だ。現場目線で組織を変革するリーダーシップに迫る。

火花を散らす議論で新しいものを生み出す

――百貨店の松坂屋銀座店を建て替えて、仕入れ販売でなくテナントから賃料を得て稼ぐ商業施設のギンザシックスを開業しました。

「当社は大阪・梅田や札幌の店などで、常に百貨店のビジネスモデルを転換してきました。従来と同じ業務であれば、同じ価値観で、同じ言語で、同じ考え方で百貨店事業をブラッシュアップしていけば強くなれます」

「しかし、現在の競争相手は百貨店だけではありません。インターネット通販であったり、アウトレットだったり、ありとあらゆる業態と競争を迫られています。かつてと同じやり方で百貨店をやっていたら、たぶん競争に勝てないでしょう」

「銀座の店舗の際には、百貨店はやらないと宣言をしました。ではどういう施設にするか。一緒に取り組んでいたのが森ビル、住友商事、仏高級ブランドのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)が出資する不動産会社の3社でした。我々と全然違う価値観、育ち方をしている人たちと、私も含めて当社の社員が議論をするわけです。火花が飛びますよ。でも、そこにエネルギーが出てきて、どんどん発想が広がっていきました」

――激論を交わしたと。

「そうです。摩擦が起こって、火花が飛んで、新しいものが生まれる。そのほうがずっといいと思う。もし、社内だけのプロジェクトだったら、私が百貨店をやらないと言っても、百貨店に近い施設になっていたと思います。同じ業界の人間からは違う発想は出にくい。森ビルや住友商事とは考え方が違います。いろいろなことを理解し合いながら、お互いのノウハウを勉強することができました」

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