ニコン「Z 6」の実力を検証 大口径レンズも装着
三井公一の最新デジカメ撮って出し
ニコン製フルサイズミラーレス一眼の第2弾「Z 6」が2018年11月23日に発売された。そのルックスは高画素モデル「Z 7」と同様で、外観上の違いはモデル名のバッジだけと言ってもいい。最大の違いは画素数で、Z 7の4575万画素に対してZ 6は2450万画素。また感度特性も異なり、Z 7のISO64-25600に対して、Z 6はISO100-51200と高感度に振られている。さらにオートフォーカスの位相差測距点も、Z 7は493点、Z 6は273点だ。
一方、ボディーの価格は直販で税込み27万2700円と、Z 7と比べて16万円以上も安い。高画素だが高価格なZ 7を見送って、このZ 6を待っていたフォトグラファーも多いことだろう。
今回は秋の街をブラブラと撮影したが、操作感はZ 7と同じなので実に使いやすい。オートフォーカスの位相差測距点が少ないことも気にならなかった。Z 6はZ 7同様、起動も速く、バッテリーのもちもいい。12月7日発売の大口径レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」を装着しての撮影では、レンズと新Zマウントとの絶妙なハーモニーを堪能できた。
撮影例
秋の木漏れ日の中をブラブラ撮影。道路標識が気になってシャッターを切ったが、素晴らしい写りをしてくれた。汚れた標識のディテール、色再現、ボケ味と、2450万画素とは思えない緻密な絵になった(f/2.2、1/320秒、ISO-100、露出補正+0.3、焦点距離50mm)
寺の境内を歩きながら軽快にスナップ。動作もクイックで思い通りに撮影が楽しめる。チョイ絞りで店先を撮ったが、シャープかつ傾きかけた日射しの色合いをうまく捉えられた(f/5.0、1/100秒、ISO-100、露出補正-0.7、焦点距離50mm)
朽ちかけた鉄製の門を絞り開放で狙う。f/1.8ながらピント面の力強さと、優しく美しいボケ味が生まれる。立体感あふれる描写がZマウントの真骨頂だと感じた(f/1.8、1/60秒、ISO-160、焦点距離50mm)
風に揺れるのれんをとっさに撮ったが、ピントも正確で、その生地のディテールも実に豊か(使用レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/4 S、f/4.0、1/200秒、ISO-100、露出補正-0.3、焦点距離70mm)
代官山の路上でベントレーをスナップ。メタリックなグリル、ロゴが入ったヘッドライト、そして夕景が写り込むパネルと、艶やかな高級車をムーディーにキャプチャーしてくれた(f/4.0、1/100秒、ISO-100、露出補正-1.3、焦点距離50mm)
快晴の静岡・掛川城。スカッと晴れ渡った空をヌケ感よく撮れた。瓦の1枚1枚、城壁の白さなど気持ちがいいカットとなった(f/8.0、1/250秒、ISO-100、焦点距離50mm)
掛川でよく見かけた二宮尊徳像。その眼部分のエッジにフォーカスしてシャッターを切った。フルサイズならではの絞り開放のボケに、像が浮かび上がった(f/1.8、1/5000秒、ISO-100、露出補正-0.3、焦点距離50mm)
静岡のコスモス街道でのローアングルショット。Z 6のチルト液晶はこのようなローアングルやハイアングルで活躍する。タッチ液晶も使いやすく、風に揺れる花にしっかりとピントを合わせることができた(f/1.8、1/8000秒、ISO-100、露出補正-0.3、焦点距離50mm)
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
[日経トレンディネット 2018年11月21日付の記事を再構成]
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