働き方・学び方

女性管理職が語る

この冬、視野広げる一冊を 人生の疑似体験にヒント ECC取締役 塚田訓子氏

2018/12/6

塚田訓子・ECC取締役

管理職として活躍する女性が仕事やプライベート、働き方への思いを自らつづるコラム「女性管理職が語る」。女性管理職が交代で執筆します。今回は、ECC取締役の塚田訓子氏。6回目の登場です。

◇  ◇  ◇

私の第一の趣味は読書です。子供のころから好きで、現在も年に100冊以上の本を読んでいます。小説が多いですが、エッセーやノンフィクションもよく読みます。ジャンルもさまざまで、ミステリーはもちろん、時代小説やSF、時には児童小説のページをめくることもあります。

本を通じて得られることは数多くあります。その中で、私が一番感じるのは、自分と違う人生を疑似体験できる、ということです。

どんなことでも実際の体験にはかなわないですし、できる限りいろいろな体験をする気持ちを持ち続けたいと思ってはいます。しかし、限られた時間と環境の中では体験できることにも限りがあります。そうした時に本を読んで物語の主人公に自分を重ねながら、本来の自分との考え方の違いを知ったり、行動の裏にある気持ちを理解したりすることで視野が広がるように思います。

また、なかなか体験できない自分とは違う職業や違う時代の話の中に、生きるヒントのようなものを見いだすこともあります。

以前、仕事で少し行き詰まっていたときに、北海道の開拓に関する本を読みました。その過酷な状況と人々の不屈の精神に大変感銘を受けましたし、それに比べれば自分はまだまだできることがある、と大いに反省しました。

また、いわゆる古典と呼ばれる源氏物語や枕草子のようなものの中に、現在にも通じるような親子の情愛、友情、男女の愛情や嫉妬などを見ると、「人間はそうそう変わらないものだなー」とも感じます。もちろん、社会構造や規範が今とは異なっているので、何もかもが同じわけではありませんが、生まれてから死んでいく人の一生の中の心の動きや自然に対する素直な感動は今に通じるものがあると思います。

私が読書好きだと知っている人から「お勧めの本はありますか」と聞かれることがよくあります。「最近読んでおもしろかった本」と言って紹介することもありますが、読書は個人個人の好みがあるので、まずは書店で少しでも気になった本を読んでみたらいいと思います。

例えば、映画やドラマになった本はイメージしやすいので、あまり読書の習慣がない人にとって読みやすいかもしれません。

私自身はしばらく前から電子書籍を愛用しています。以前は出張の際には本を2~3冊持っていっていましたが、電子書籍になって持ち運びが格段に楽になりました。

いつでも購入できるところも気にいっていますが、ついまとめて買う「大人買い」をしてしまうのが問題です。とはいえ、やはり紙の本の方が優れている点もあり、かつ読後感は紙の本の方が圧倒的に強く感じます。

寒くなってきました。夏は「海だ!山だ!」といったアウトドアな印象がありますが、冬は暖かい家の中でゆっくり読書にふける絶好のチャンスです。普段はあまり本を読まない人もぜひ何か一冊手にとってみてください。読書の知的な刺激が健康にも良いという話もあるようですし、今まで知らなかった新しい世界を発見できるかもしれません。

つかだ・くにこ
専業主婦を経て1995年にECCに入社。2人の娘を育てながら、センター責任者やエリアマネージャー、東日本管区長を務める。2016年から取締役。

[日経産業新聞2018年11月29日付]

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