衣服だってジャストインタイム ブランドと工場を直結シタテル社長 河野秀和氏

■アパレル業界の在庫問題を一変させる

――完全受注生産の新しいサービスもローンチしました。

SPEC(スペック)のイメージ。ナノ・ユニバースやビギのECサイトで試験的に稼働している

「『SPEC(スペック)』という、受注生産一体型コマースを開始しました。目的はアパレル業界の在庫問題を解決することです。アパレル業界では一般的に1000枚の服を作ったら、通常の形で売れるのは400枚、セールやアウトレットで400枚、残り200枚は焼却処分という比率。こうした慣行が長らく続いてきました。それを我々がD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)、つまり服を製造する企業が直接消費者に届ける形を提供することで、解決できればと思っています。

「例えば、電子商取引(EC)サイトをお持ちのクライアントさんにスペックを使っていただき、特設のサイトを設けてもらいます。ここで、商品ごとに販売する枚数を設定します。お客さんが商品を買うと、クライアントが設定した枚数に達した時点で、シタテルの連携工場で生産を開始するという仕組みです。結果的に在庫を出さないですみます。アパレル産業の在庫の問題を解決する可能性もあるサービスだと思っています」

――現状の課題と今後の展開はどうでしょうか。

「小ロットの問題は解決できてきましたが、逆に日本国内の工場だとボリュームのある生産がなかなか難しく、数万枚の受注などがきたときにどうしても限界があります。その課題を解決するために今はグローバルな形で海外の生産も稼働を開始しました」

「例えば、日本の生地は実は海外からの評価が非常に高い。そういったものを海外に発信していく必要があると思うので、大手のプレーヤーも巻き込んで、どんどん進めていきたいですね」

河野秀和氏
メーカー・外資系金融機関を経て、総合リスクマネジメント事業やシタテルの前身となる会社を設立後、2013年に米サンフランシスコ・シリコンバレーで世界の最前線のITを導入した流通システム・シェアリング事業開発などを学んだ。その際、M&A(合併・買収)やベンチャー企業を取り巻く法律などの知識も得た。帰国後の2014年、シタテルを設立。現在、熊本と東京を拠点に活動している。

《会社概要》
社名:シタテル 設立:2014年3月 所在地:本社 熊本県熊本市、東京支社 東京都渋谷区 従業員数:50名 事業内容:衣服生産プラットフォーム事業の運営、開発

文:FACY編集部 岩崎佑哉(https://facy.jp/) 写真:長井太一

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