◆ケース1.社内政治の戦場となって焼け跡化

自分では意図しなくても派閥の色がついてしまうことがある。写真はイメージ=PIXTA

昨年転職したAさん(43歳)は老舗の化学系包装資材メーカーで営業部の管理職を務めていました。そんな中、創業者である会長(前社長)とその息子の取締役経営企画部長のグループと、創業者の弟である現社長とその娘婿の専務のグループで、後継者の椅子をめぐって主導権争いが繰り広げられる展開に。現社長が営業部長だった時代に若手社員として育てられた経緯もあり、現社長派閥と見られていました。一度は勢力を奪われていた会長派が、社長派の幹部社員の懲戒問題で一気に盛り返し、通常では考えられない報復人事により、Aさんも閑職へと追いやられる結果になったそうです。

「私自身はそんなに派閥意識はなかったのですが、いったん社長派と認識されてしまうとどうにも覆せない。優秀な若手はどんどん辞めていくし、当然、業績も下降する。山も谷もあると思っていましたが、さすがに焼け跡のように荒れていく会社を見て、もう愛想をつかしました」。Aさんは、同じ化学系の中堅材料メーカーに転職し、営業課長として活躍されています。

◆ケース2.トップダウンの暴走が止まらない

関西圏では知名度の高い住宅メーカーで、人事や総務などを担当する管理部長として活躍していたBさん(48歳)。一昨年の秋に退職を決意して、昨年1月に全国で介護施設を展開する介護サービス会社の人事部長として転職され、活躍中です。

Bさんの退職理由は、一言でいうと経営者の横暴なマネジメント。10年前に社長に就任した2代目社長の問題でした。就任直後は温厚で周囲の意見をよく聞いて判断していた人が、世代交代で先代の側近が引退していくと徐々に裸の王様に。会社の戦略の不安定さを警戒した幹部社員の忠告を聞かないばかりか、意に沿わない発言をする優秀な社員を左遷するなど、周囲を恫喝(どうかつ)するような態度が常態化するようになってしまったそうです。

人事を管轄していながら、不当な評価や離職率の悪化に対して何の手当もできず、無力感を感じて辞表を書いたということでした。

◆ケース3.上司との関係悪化でやりがい消滅

新人時代の先輩がそのまま上司と部下の関係になったというCさん(45歳)は、もともと5歳年上の上司とは長く良好な関係にありました。しかし、ある年度の営業の方針をめぐって会議の場で意見が対立。兄弟のような感覚の甘えもあって、つい言いすぎてしまったことが上司の怒りを買うことになったそうです。

次のページ
退職の決断タイミングは、自己充足感で判断すべし
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら