突然だが、まずは下記のチェックリストで自分に当てはまるものをチェックしてみよう。
□よく、「猫背だね」と指摘される
□気が焦って、前のめりに歩いてしまう
□信号待ち、電車を待っている時など、片足に重心を置いて立っている
□真っすぐに歩けない(歩いていると、いつの間にか左か右に寄っていきがちだ)
□荷物をいつも同じ側で持っている
これは「健康を害する歩行姿勢チェック」。このうち2つ以上当てはまる人は、体がゆがみ、腰痛・肩こり・膝痛のどれかに既に悩まされているか、近い将来、それらが生じる可能性が高い人だ。
現代人が陥りがちなこうした痛みやこりは、業務にも支障をきたし、十分に仕事ができず、心身ともに大きなストレスにつながる。「多くの人が健康を害する歩き方をしている」と言う品川志匠会病院副院長で昭和大学医学部整形外科学講座客員教授でもある平泉裕医師に、健康ジャーナリストの結城未来が歩行時の間違いを正すルールを聞いた。
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正しい歩行でなければ、歩いてもムダ!?
普段、特別な運動をしていなくても、「いつもより長く歩いてみよう」「通勤時間は歩くようにしよう」と、歩く時間を増やしている人は少なくないだろう。しかし…
――平泉医師「せっかく健康のために歩く時間を増やしても、正しい歩行をしなければ、ムダ。むしろ、不健康な歩き方で体を痛めている人をよく見かけますね」
…と、いきなり厳しい指摘。
かく言う私も、運動する時間が割けない時こそ、移動時間を上手に使おうと、歩いて移動することが多い。でも、「健康に良い」と思い込んでいたのに、かえって「不健康」で体を痛めているだけだとしたら、至急、なんとかしなければいけない(汗)
――平泉医師「私の患者さんの中で、体の中で痛みを訴える声が多いのは1位が腰痛、2位肩こり、3位膝痛。この予防のためには、本来、体を動かすことは良いことなんです。動かさないと筋肉同士がくっついてしまい、動きが悪くなります。硬くなってしまった筋肉をムリヤリ動かそうとするから『痛み』につながる。これが痛みやこりの正体。それだけに、『痛む部位の筋肉こそ、上手に動かして鍛える』ことが大切です。ウオーキングは手軽に無理なく始められる全身運動といえますね」
ならば、歩く時間を増やすことは良いことのように思える。
――平泉医師「そうですね。ただ、歩き方によっては、腰や膝を悪くする可能性もあるんです。歩いている人を観察していると、腰痛や膝痛を引き起こしそうな人を多く見かけますから」
歩いている人を見るだけで、体を壊しそうな人が分かるとは! では、どうやったら、「不健康ではなく、健康につながる歩き方」ができるのだろうか?