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リーダーの母校

千葉高剣道部で鍛えた集中力と読書 作家の海堂尊氏 作家・海堂尊氏が語る(上)

2018/11/26

作家・海堂尊氏

「チーム・バチスタの栄光」をはじめ、外科医や病理医の経験を生かした小説など、数々の作品で人気を博す海堂尊氏(56)。地元の進学校、県立千葉高校で始めた剣道で、集中力と基礎体力を培った。多方面での活躍を支える基盤は、このころから形作られていったようだ。

千葉県随一の進学校、県立千葉高校に入学した。

僕らの頃は学校群制度で、今みたいに県のトップという感じではありませんでした。進学校という感じは薄れて、いろいろなタイプの人がいて、今とは単純には比較はできないでしょうね。入学して最初に先生から言われたのは「うちは4年生高校だから」。要するに浪人するか、それが嫌なら3年の間、放課後などに受験専門学校に通って正味4年分の勉強をしろということです。非常に割り切った学校でした。

授業も受験向けという感じはまったくなく、どちらかというと大学に近かったですね。教科書は一通り説明するだけで、自分の得意分野になると熱心に話し続ける先生が多かった。僕はそんな一生懸命には聞かず、部活がメインで剣道ばっかりやっていました。テスト期間の1週間くらいは部活がないので、そこで勉強すれば効率的だという感じで。試験前に一生懸命勉強して、中の上くらいの成績でした。

小・中と水泳とかサッカーをやっていたので、高校では格闘技系をやってみたいと思ったんです。その中では剣道がかっこいいかな、と思って選びました。あまり深く考えず、選んだらまぁしっかりやろうかな、と。

1年生のときは顧問の先生もおらず、素人の先輩やOBがみんなで考えてやっていました。それが2年生のときに、剣道の専門家の先生が顧問になったんです。それまでは、ただがむしゃらの根性論でやっていたのが、全く違う、合理的な練習になりました。先生は体つきが丸くて小柄で、剣豪っぽくみえない軟らかい感じの方でしたが、「ああ、剣道ってこういうものなんだ」と、見方を根底から変える指導をしてくれました。

先生の言葉で印象に残っているのは「力を抜け」です。力を入れても速くならない、と。この力を抜くということは何にでも通じる極意なのではないかと思います。自然体ということでしょうか。素早く動こうと意識すると、かえって力が入ってスピードが落ちてしまうものなのだと思います。

剣道は集中してやるので、1回の稽古は2~3時間が限度です。高校時代、練習は木曜と日曜の休み以外、毎日2時間くらい、家で素振りと基礎トレーニングを1時間ぐらい。夏休みと春休みには合宿があり、そのときは1日3回稽古しましたが、このときでも1回2時間ぐらいずつでした。

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