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都市部で農業ブーム 法改正が追い風、流通に変化も

2018/11/20

都市部の「生産緑地」で野菜などの栽培体験が人気だ(3日、東京都調布市)

都市部を中心に、住民が農地の一部を借り野菜や果物を育てる「市民農園」が流行しています。全国の市民農園は2017年3月末に4223カ所と、過去10年で約30%増えました。18年9月には、個人や企業が農地を借りやすくなる新法も施行されました。都会の農業の利点や注意点を考えてみます。

東京都武蔵野市の会社員、今仲泰之さん(53)は自宅から約5キロメートル離れた同調布市の畑に通うのが週末の楽しみです。住宅街にある農地の一角に3畳ほどを間借りし、夏はキュウリ、秋は大根など10種類以上の作物を育てています。約1年前から栽培を始めた今仲さんは「自分で作る野菜はスーパーで買ったものよりおいしい」と収穫に喜びを感じています。

今仲さんの畑は、運営企業のアグリメディア(東京・新宿)が農地に設置した市民農園の中にあります。料金は月9千円程度で、約50人の利用者がいます。種や農具は企業が提供するほか専門家の指導も受けられるため、利用者は身一つで栽培を始めることができます。

こうした市民農園は9月、都市部の農地を借りやすくなる法律が施行されたことでますます増える見通しです。従来は企業や個人が農地を借りるためには自治体などを通さなければなりませんでしたが、新法では所有者と直接契約を結べるようになりました。対象となる都市部の農地は「生産緑地」と呼ばれ、全国で東京ドーム2800個分ほどの広さを有しています。

大規模な都市農地の開放により、本格的な農業を始める人も増えるかもしれません。足元でも、農家以外の出身で農業経営を始めた個人は17年に全国で3600人と、10年前の2倍超に増えています。日本総合研究所の三輪泰史エクスパートは「都市部の農業は観光や飲食業と結びつけることで付加価値をつけやすい」と話し、新法が都市部での農業のブームを加速させると見ています。

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