パナが幅半分の白いレコーダー インテリア重視で提案
注目の新製品をピックアップ、市場性や開発者の声などから、日経トレンディ記者が大胆に「ヒット予報」をする。今回取り上げたのは、パナソニックのブルーレイ/DVDレコーダー「おうちクラウドDIGA DMR-BRG3060」。最近のインテリア事情に合わせて、脱AVラックを意識した商品だ。
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●実勢価格/10万3550円(税込み)
●サイズ・重さ/幅215×高さ80×奥行き215mm・約2.4キロ
●チューナー数/6
●入出力/光デジタル音声出力×1、HDMI出力×1、USB×2
●HDD容量/3TB(テラバイト)
●発売日/10月19日
ほぼ横ばいが続くレコーダー市場に、パナソニックが思わぬ提案を投げ込んできた。10月に発売された「おうちクラウドDIGA」の新モデルが売りにするのはサイズとデザイン。従来のレコーダーの約半分となる幅21.5センチの本体はあまり見たことのない白色だ。
レコーダーは「黒物家電」と呼ばれてきたほど黒が中心で、サイズも横長のいわゆるAVラックに合わせて幅40センチ台の商品ばかり。しかし「最近のインテリアでは、白い木目調などナチュラル系の家具が好まれ、黒いAVラックがあまり置かれなくなってきた」(同社)。
人気の壁収納やユニットシェルフで主流の内寸は幅33~39センチ程度。従来のレコーダーはもはや「置き所がない」のだ。
同社は2017年からシリーズ名を「おうちクラウドDIGA」と変更。スマートフォンで番組を視聴したり、スマホの写真や動画のストレージになる機能を強化してきた。テレビを置かない家庭が増えるなかでの生き残りを模索した動きだ。18年モデルはこの路線を踏襲しつつデザインを変えたもの。全番組自動録画機能を持つ最上位モデルなどを除く、大半のモデルが新デザインを採用している。
機能面での今年の改良点は、離れた家族のDIGAにも写真を送信する機能、USBケーブルでスマホをつなぐだけで自動で写真を同期する機能、自分にしか見られないよう写真にパスワードをかける機能など。使いこなせれば利便性は高い。
レコーダーは長らく差別化要素に乏しい状況が続いたが、今回の訴求ポイントは分かりやすい。既存ユーザーの買い替えをある程度誘発しそうだ。一方、機能面の訴求ポイントは少なく、新規層の開拓には課題を残す。
(写真:古立康三)
[日経トレンディ2018年12月号の記事を再構成]
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