MONO TRENDY

私のモノ語り

GLAY TAKURO 勇気と自信くれたビンテージギター

2018/11/16

自らが「グランマ」と命名した55年製、57年製など、ギブソンのレスポールの名器を複数所有するという

「せっかく入手したのだから、ギターをメインにしたインストゥルメンタルの作品も作ってみたいと思うようになって、僕はふと気がついたんです。インスト曲って、どうやって作ればいいんだろうってね。これまで曲を作ると同時に歌詞も浮かんでいたので、それが当たり前になっていたんです。でも歌のないインスト曲の作り方となると、皆目見当がつかない。そんなときに、ふと横を見たら松本さんがいるじゃないですか(笑)。グラミー受賞者をプロデューサーに迎え入れられるなんて、これほど心強いことはありませんよ」

■生で届けることに意味がある

「松本さんから、『ギターもシンガーのように個性がある』と教えてもらったのがいいヒントになりました。実際に、オペラ歌手のように高音が美しく響くギターや、少しこもった声で歌うもの、フランク・シナトラみたいに低音が渋い個体などさまざま。音色の違いを歌声に見立てることで、曲作りがとてもスムーズになりました。

この59年製はピッチも良く、どんな曲でも歌いこなせる万能選手。どんな曲でもいい音で鳴ってくれるところは、なんでも歌いこなしてしまうボーカルのTERUに似ているかもしれませんね。僕は高校時代から自身が歌えない曲を作っては、『じゃ、よろしく』って任せっきり(笑)。TERUとは今までキー合わせをしたことがないんです。作家やプロデューサーとしての立場を忘れてしまえるほどの自由さが、このギターにはあります。

半世紀以上も受け継がれてきた、このギターをこの21世紀に生で届けることに意味があると僕は思っています。かつて武道館でジミー・ペイジが同じギターを生で弾いた音に感激した人が、今の音楽界で活躍しているように、GLAYを支えてくださる音楽ファンに生で届けたい。同じ空間で共有する音は、音源で再生するものとはやはり圧倒的に違いますから。

笑われるかもしれないけど、このギターを手にした40歳を過ぎたころから『やっとGLAYのメンバーになれたな』と思えたんです(苦笑)。それまでは3人の才能や存在感に圧倒されるばかりで、GLAYという光の輪の端っこにいるような感覚でした。25周年、30周年とこの先よりGLAYを輝かせるには、自分の器を磨きたい、作詞作曲の能力を高めたいと強く思うようになりました。ギターに関しては足を引っ張っている思いが強かったので、切実でした」

「このギターを手にした40歳を過ぎたころから『やっとGLAYのメンバーになれたな』と思えた」という

「試行錯誤の末に完成した、1stソロアルバム『Journey without a map』(2016年)は、もともと好きで、かつレスポールの音色にも合うジャズやブルースに寄った作品になりました。GLAYのメインギタリストであるHISASHIは、ハードコアやメタル、ノイズ系などが得意。この先、HISASHIがもしギターのアイデアに詰まったとき、違った角度から『こんなのどうかな』って代案を出せたらいいなという思いもありました。

ソロでステージに立つことで、フロントマンであるTERUの圧倒的な孤独や、HISASHIのすごさを改めて感じたし、より深く理解できたと感じます。ギターと真正面から向き合ったことで、『BELOVED』や『誘惑』もちゃんと弾けるようになったなと(笑)。キース・リチャーズの名言じゃありませんが、本来自分が思い描いていたような演奏ができるよう、もっと練習してステージで披露したいです」

MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
100万円で開発 Amazon Go型店舗の意外な仕組み
日経クロストレンド
ワークマン大量出店の裏にABテスト 実はデータ経営
日経クロストレンド
スーツに見える作業着、農家や管理人にも広がった理
日経クロストレンド
日本上陸 スポーツ用品店の巨人「デカトロン」とは
ALL CHANNEL