道端アンジェリカさんも闘う皮膚疾患 乾癬の理解を

日経Gooday

2010年に製薬企業のアッヴィが一般の人を対象に行った乾癬の認知度・理解度に関する調査によると、乾癬の「症状がうつる」と誤解している人が約15%だった。電車やレストランでの同席(空気接触)に対して抵抗を感じる人が約47%、入浴や水泳での水中接触については76%が抵抗を感じると回答し、「感染しそうだから」という理由が最も多かった。発症原因についても約33%が「感染」と誤った認識をしていた(図1)。

出典:アッヴィ「乾癬に関する認知度調査」2010年

乾癬に対する社会的な認知度はまだ低く、誤解も根強くあるため、患者は他人の目を気にして、「好きな服を着られない」「温泉で入浴を拒否される」など、生活上の困難を抱えている。精神的ストレスや外見上の悩みから外出を控えたり、うつ状態や引きこもりへとつながってしまうケースもあるという。15年に製薬企業のノバルティスファーマが実施した、日本を含む世界31カ国が参加した大規模な乾癬患者調査によると、日本で72%の患者が「差別や侮辱の経験がある」と答えている(図2)。

ノバルティス ファーマ「Clear about Psoriasis Patient Survey(クリアな肌に関する乾癬患者調査)」2015年

治療の選択肢は広がっている

江藤さんによれば、近年、乾癬の治療は大きく進み、治療の選択肢が広がってきたという。乾癬が生じる詳しい原因は不明だが、皮膚表面の問題ではなく、リンパ球が刺激されて起こる免疫の異常で皮膚細胞の増殖の速度が速まることが分かってきて、日本でも2010年から生物学的製剤[注1]が使えるようになった。外用薬・内服薬も種類が増え、紫外線を照射する光線療法なども進歩し、様々な治療の中から自分に合う治療を選べるようになってきているという。

「皮膚科専門医としっかりと話し合いながら、自分に合う治療を受けることで、クリアな肌を取り戻し、自分らしい通常の生活を送ることも夢ではない」と江藤さんは言う。

しかし、先述の乾癬患者調査のデータによると、皮膚症状のある日本の患者の82%が「『クリアな肌』を取り戻すことは難しい」と考えている(図3)。「自分の希望に対し、これまで医師と話し合ったことがない」という人も世界で17%に対して日本では30%と高く、「『クリアな肌/ほぼクリアな肌』になった治療に出合うまで5年以上かかった」という人も世界で28%なのに対して日本では40%(図4)。有効な治療手段があるにもかかわらず、情報にうまくアクセスできないまま、あるいは過去の治療の中断といった背景から、患者自身も治ることを諦めていたりする実情がうかがえる。

ノバルティス ファーマ「Clear about Psoriasis Patient Survey(クリアな肌に関する乾癬患者調査)」2015年
ノバルティス ファーマ「Clear about Psoriasis Patient Survey(クリアな肌に関する乾癬患者調査)」2015年
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