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廃校水族館に「まずい棒」… 逆境破った地方発ヒット

2018/11/15

屋外プールでは悠々とウミガメが泳ぎ、手洗い場ではヒトデやナマコが待機し、地元の小学生が見学に訪れることも多い(むろと廃校水族館)

何もないところに人は訪れない。しかし、何もなくても「特別なもの」はつくれる。4月開館の高知県室戸市の「むろと廃校水族館」の人気は、改めてそれを感じさせてくれた。逆境をはね返しヒットをつかんだ地方発の施設・企画を探った。

25メートルプールでウミガメが泳ぎ、教室内の水槽では地元のウツボやアジが見られるという奇抜な水族館を運営するのは、NPO法人の日本ウミガメ協議会(大阪府枚方市)。研究用のウミガメや魚類の保存場所を探していたところ、2006年に廃校になっていた室戸市の小学校に出合った。

「水族館にしては」という室戸市長の一言で、元小学校という特性を生かした水族館づくりがスタート。同協議会のメンバーには水族館勤務経験者が複数おり、50種類1000匹以上が見られる水族館が低コストで出来上がった。アクセスの悪い土地だったため、当初は目標来館者数を年間4万人に設定したが、10月30日、開園から約半年で10万人を突破した。

同館の正式名称は「むろと海の学校」。しかし若月元樹館長は廃校水族館の名称を押し通した。その理由を「廃校の活用は各地で課題。モデルケースを目指したい」(若月館長)と説明する。

■クラウドファンディングで復活

一方、茨城県石岡市の動物園「東筑波ユートピア」の復活も悪条件をはね返した例だ。同園は6日間来園者がゼロだったこともあるなど、存続の危機にあった。そこで活用したのがクラウドファンディング。復活への思いを語り、「イノシシ牧場」のリニューアル資金を募ったところ、目標の約1.5倍となる5816万円が集まった。運営者のひたむきさが共感を呼んだ好例だ。

ワタオカが開発したねこじゃすりは、猫の毛づくろい用で、猫の舌のザラザラ感を再現した

最近はクラウドファンディングをマーケティングに活用する例が地方でも目立つ。

例えば、猫の毛づくろい用ヤスリ「ねこじゃすり」を開発したワタオカ(広島県呉市)は、リサーチを兼ねてクラウドファンディングにねこじゃすりの製品情報を公開。30万円の目標を大きく上回る283万円を調達できたことから製品化を決めたという。

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