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パワハラ・セクハラどう防ぐ 安易なNG集は逆効果 「パワハラをなくす教科書」 和田隆氏

2018/11/14

企業のハラスメント防止研修も数多く手掛けてきた和田隆氏

2018年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で、「悪質タックル」「奈良判定」「時短ハラスメント」「#MeToo」というハラスメントに関連する言葉が4つもノミネートされた。とりわけパワハラに関するニュースは1年を通じてメディアを騒がせ続けた。「パワハラをなくす教科書」(方丈社)を書いた、ハラスメント防止コンサルタントの和田隆氏はパワハラへのまなざしが一段と厳しくなった意義を認めながらも「単なる言葉狩りで終わるケースも相次いでいる」と指摘する。企業の研修も手掛ける和田氏に、現状と望ましい取り組みを聞いた。

■「ハラスメント=悪」は当たり前になったが…

ハラスメントが悪い行為であり、許されないという認識は、かなり浸透してきた。「ブラック企業」が新語・流行語大賞のトップテンに入ったのは、5年前の13年。その後も14年に「マタハラ」「家事ハラ」「セクハラやじ」、15年に「オワハラ」「モラハラ」が選ばれている。こうした流れを受け、企業にとってリスクだという認識も広まった。

現在では、大手企業の多くがハラスメントの相談窓口を設けている。法務室やコンプライアンス部門には担当者を置き、啓発にも努めるようになった。しかし、和田氏は「取り組みの基本的な姿勢がトラブルシューティング的で、目先の火を早く消すことが主眼になりがちだ」と懸念を示す。被害の申し出があったら、すみやかに事情を聞き、手早く懲戒や配置換えなどの処分を下す。ある種の流れ作業のように案件を「事務処理」するようになったのだという。

処分や配置転換などの対応がしかるべく行われること自体に問題はないし、むやみに長引かせるべきでもないだろう。ただ、あまりにスピードを意識すると、当事者や周辺からの丁寧な聞き取りなどを通じた全体像の把握、会社の風土や業務上のプレッシャー、勤務実態などまで視野に入れた根本的な原因の検証がおろそかになるおそれがある。

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