仕事も育児も諦めない 女性部長の保活・復職のリアル

日経DUAL

保育園を決めていざ復帰。預けてみたら聞いていた話と違って…

 産・育休中は、一番任せられるメンバーを副事業部長にしつつ、判断が難しいものは上司である役員にもお願いをしました。上からと下からで真ん中をフォローしてもらう形です。産休前はちょうど部下の評価の時期だったので、直前まで仕事をし、36週途中で産休に入りました。38週で出産したので10日ほどは出産に向けてゆっくりしたり保活に集中したりすることができました。

 出産が5月末だったので、認可園・東京都認証園を狙うとなると年度初めの翌年4月までは入園が難しい状況でした。3~4カ月で仕事復帰したいと思っていたので、無認可園を探し良さそうなところが見つかったので、10月入園で予約しホッとしました。

 いざ10月の復帰を決めて、一時預かりとして9月にその園に子どもを預けてみたところ、聞いていた話と全く違って衝撃を受けました。思えば、見学のときに保育しているところを見せてもらえなかったのです。「子どもたちがお昼寝をしているから……」と、事務室で園長先生と面接をするだけでした。もしかしたらそれ自体は珍しいことではないのかもしれませんが。

やっと探した無認可園に不安を覚える(写真はイメージ=PIXTA)

 面接では、子ども一人当たり保育士が何人いるのか、セキュリティーなど、保育園選びのチェックポイントに沿って色々と話を聞きました。でも実際に預けたら状況が違って……。例えば、園長先生が産休に入っていたので代わりの施設責任者は誰なのか聞いても、誰も答えられなかったり、子どもを引き取るときの身分確認がまったくなされなかったり。身分証を確認します、と決まりにはあるのに、私が身分証を提出しなくても誰も気づかない。ということは、別の人が引き取りに行っても子どもを渡してしまうのかなと不安になりました。決定的だったのは、保育士さんたちが全員ものすごくイライラしていたことです。0歳から5~6歳まで同じ部屋にいて、預けたとき娘は3カ月だったのですが、泣いているのに抱っこしてもらえずハイローチェアにベルトをしっかり締められていました。誰も話しかけてくれずモノのように扱われていて……。きっと保育士さんの労働環境も大変なんだろうな、と。

 「早く仕事はしたい。でもここに預けてまで復帰を早めることに意味はあるのだろうか…」。悩んで、まずは安心して預けられる環境を整えることが、しっかり働くことの前提だと考え、もう一度保育園を探すことにしました。いったん復帰予定を会社に伝えていたので、事情を話して延長希望を伝えると、ありがたいことに理解を得ることができました。

 年度途中の再度の保育園探しは難しいだろうと覚悟していました。託児所一覧の紙を手に、上から順番に調べていきました。いわゆる保育園に限定せず、むしろ前回のことがあったので、できれば少人数の施設で、親のように接してくれるところがいいなと思っていました。そうしたら近所で、とても良さそうな家庭内保育を見つけて、一晩かけてその家庭内保育のブログを過去分も遡って全部読んでみたところ、ものすごく愛情をこめた保育をしていることが伝わってきました。そこで次の日にダメ元で連絡してみたところ、1人しか預からない0歳児がちょうど空いたところでした。本当に幸運でした。次の年度まで、そこに半年だけお願いすることにして、無事に仕事に復帰することができました。

 次年度の認可園に申し込む前に、引っ越しもしました。住むことに決めたのは職場からすぐ近くのマンション。先輩ママからも「ワーママは時間との勝負だから」と聞いていたので、仕事時間も睡眠時間もなるべく減らしたくないと考えた結果、通勤時間をほぼゼロにできないかな、と思ったのです。うちは別々の職場に勤める共働き夫婦なので、夫の通勤もあるのですが、家については私を優先してもらえたのは本当にありがたかったです。

 夫婦の調整はそれぞれの家庭の事情もあるのでなかなか難しいかもしれませんが、お互いがよいなと思えるなら職場の近くに住むことが私の一番オススメしたい時短テクニックです。保育園のお迎えも10分前に会社を出れば間に合いますし、会社の飲み会も子どもを寝かしつけた後のお世話を夫にバトンタッチして、二次会から参加したりしています。子どもが熱を出してもすぐに帰れるし、忘れ物もすぐ取りに行ける。保育園の用事などがあっても、休みを取らず少しの中抜けで参加することができるなど、会社の制度が柔軟なことにも助けられて臨機応変に働くことができています。

 管理職として育休を取り、延長願いも聞いてもらえたことにとても感謝していた一方、事業部長の自分がいない状態でも、仕事が回っている状態に、正直少し寂しい気持ちもありましたね。必ずしも私でなくても大丈夫なんだな、それなら別の人にお任せして私は他のところに復帰するのもありなのかな、と弱気になったことも。でもその気持ちを率直に副事業部長に伝えたところ「必ず戻ってきてほしい。みんな待っている」という言葉をもらって。とても励まされましたし、復帰して期待に応えたいと思うことができました。

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誰かをサポートした経験は必ず自分に返ってくる