〈 ベストの応用 〉
04. ボルドータイの強さを主張感あるベストが中和
ボルドーベースのタイは力強さを表現したいときにうってつけだが、ジャケットの前を開けたときなどには強く主張しすぎるきらいも。ここではあえて個性的な柄ベストを合わせてみた。主張×主張のコーデだが、ジャケットとベストが同系色なこと、またタイとベストのチェックの色味が近いためにうるさくなく、着巧者らしい格の表現にはピッタリだ。

05. トレンドの茶系コーデにクラシックな色気を注入
オレンジカラー+ラペル付きのダブルブレストとデザインも攻めたベスト。組み合わせに悩みそうだが、茶系のコーディネートにINすれば、ネイビースーツに白ベストを合わせた際のように、柄タイの主張を抑えつつ、装い全体をエレガントに見せてくれる。生地は名門フォックス ブラザーズのフランネル。そのしっかりしたウエイトも格調高さのポイント。

〈 ニットの基本 〉
06. パキッとした赤タイの色味をニットの柔らかさが受け止める
ブラウンに滲んだようなネイビーの太チェックを配したジャケットに、パキッとした赤小紋タイの組み合わせ。そのままではタイが目立ちすぎるところ、ダークブラウンのベストが両者をさりげなく橋渡し。スポーティなダブルブレストタイプ、さらにニットゆえの程よい寛ぎ感もあり、そこもジャケットやタイの洒脱な柄ゆきと馴染むポイントになっている。

07. 素朴な味わいの装いを黒ニットでモダンにアレンジ
ところどころに浮かぶネップがラフなムードを高める、ホームスパン調生地のライトグレージャケット。そこにモスグリーンの小紋ウールタイの合わせは本来かなり渋く傾きそうだが、黒のニットベストならVゾーンにキリッとしたコントラストがつき、どこかモダンで洗練された雰囲気を得られる。黒という色が持つフォーマル感や艶気のなせる技だろう。
